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ブルガリアとルーマニアの旅(1)

ブルガリア共和国(Republic of Bulgaria)
面積 11.09万平方km(日本の約3/1) 人口 732万人(2011年、IMF)
首都 ソフィア 民族 ブルガリア人 トルコ系 ロマ等 言語 ブルガリア語
外務省HP平成25年6月1日現在基礎データより

ヨーグルトとバラの国

日本人にとって、ブルガリアはあまり馴染みのないという国というイメージが強い、それに比べてルーマニアは14世紀ドラキュラのモデルになったワラキア公ヴラド・ツェペシュや1976年モントリオール五輪で活躍したコマネチ、それに共産党政権下で独裁的権力者として君臨したチャウシェスク大統領が有名である。
あまり知識がない国と、世界に大きな話題を提供した国の2ケ国を訪問する旅は出発する前から興味があった。昔の教えに『故(ふる)きを温(たず)ねて新しきを知れる』というのがある。歴史を深く探求し、そこから新しい知識や見解を得ることが出来るという意味である。また新たに二国を知ることで、自分の世界観や人生観を高めるうえで大きな財産になるように思える。

中世時代のバラ市場 ドラキュラ

<ブルガリア編>

(第1日目)

午後12時40分成田空港を発って、ドイツ・ミュンヘン空港に17時45分到着した。1時間30分後ブルガリア・ソフィアグラジブテナ空港に向けて飛び立った。ブルガリアには約3時間位で到着し、そのままホテルに直行し旅の疲れを癒した。

(第2日目)

朝6時のモーニングコールで起床し、朝食の後、8時にホテルを出発して、首都ソフィア市内を観光した。先ず、ブルガリアで最大にして最も美しいアレクサンダル・ネフスキー寺院(5000人収容)を見学した。

アレクサンダル・ネフスキー寺院

この寺院は高さ60mの金色のドームからなるネオ・ビザンツ様式の建物で外部も内部も豪華な造りで、訪れる人の目を奪う。露土戦争で亡くなったロシア人兵士を慰霊する目的で建立され、完成まで40年かかったのだとか。まさにソフィアを代表する寺院である。

寺院内部

レンガ造りの聖ソフィア教会 次に地下道から、屋根だけが地表に突き出している半地下式の教会、聖ペトカ地下教会に行った。さらにバスで外観から4世紀にローマ帝国によって作られた聖ゲオルギ教会と聖ソフィア教会を見た。ガイドさんに頼んで、聖ソフィア教会の内部を見学させてもらった。ちょうど神父さんのお祈りが行われていたので、失礼して写真に撮らせていただいた。

お祈り中の神父

見学後、ソフィアの街を徒歩で名跡や歴史建築物をみて回った。

ソフィアの歴史建造物

国会議事堂、ニコライ聖堂、ロシア教会、旧共産党本部、イヴァン・ヴァゾフ国立劇場などを外観から観光した。

ニコライ聖堂 旧共産党本部
イヴァン・ヴァゾフ国立劇場前にて

その時、運よく大統領府の正面玄関前で衛兵の交替式が行われていた。5名の衛兵が行進して、そのうち2名が交替していった。その光景は素晴らしく、カメラに撮らせてもらった。

衛兵の交替式の模様

3つの聖堂が調和するボヤナ教会 昼食前に、もう1か所見学した。ソフィア中心部から南西へおよそ8q行ったヴィトシャ山に世界的にフレスコ画で有名なボヤナ教会がある。(写真12.)ここは11世紀、13世紀、19世紀に建造された3つの聖堂が調和する教会で、内部の壁面にはキリスト、聖ニコライの生涯の18の場面、などが描かれていた。

3つの聖堂が調和するフレスコ画

昼食は、マス料理と肉入りスープ、クレープを頂いた。

マス料理 肉入りスープ

その後、約2時間半かけてブルガリアで最も有名なリラの僧院を訪ねた。

ブルガリア正教のリラの僧院

リラ山脈の奥にひっそりと建つ僧院は、10世紀に建立されブルガリアの精神、教育、文化の中心地であった。往時には約360の房に全国から僧が集まり寝起きしていたという。

聖母誕生教会の回廊から見た修道院 僧院を立てる僧たち

まず、敷地内の中央に四階建ての外陣に囲まれた「民族復興様式の教会」があり、白黒の横縞模様の教会正面のアーチをくぐった外壁には36の聖書の場面を描いたフレスコ画が描かれていた。

36聖書を描いたフレスコ画 アーチに描いたフレスコ画

フレスコ画入り家具 さらに、教会内には東方正教系にはなくてはならない黄金に輝くイコノスタス画が壁面に見られた。これ程の豪華イコンはかって見たことがないものである 。その他イヴァン・リルスキの聖遺物が見られた。これらはみんな聖母誕生教会にあった。それと僧院内にフレリョ塔(物見櫓)があり、昔の栄華を偲ばせるものであった。リラの僧院から約3時間30分かけて、ブルガリアで2番目に大きい都市であるプロブディフに向かった。

(第3日目)

6時30分に起床して朝食後、プロブディフ市内観光に行った。この都市は人口38万を有し、歴史は古く紀元前19世紀にはトラキア人によって開かれた街である。 市内には歴史博物館、考古学博物館、地域民族博物館、自然史博物館、美術館と劇場などがあり、プロブディフで最も有名な名所の一つは、現在も人が住む、修復された多くの民族復興期家屋が集中しているプロブディフの旧市街である。

民族復興華北が連なる通り

古代ローマ円形劇場をバックに この街では、多くの演劇、踊り、映画関係のイベントが開催され、トラキア、ローマ、ビザンチン時代遺産が都市の近代建築に上手く溶け込んでおり、その中でもコマテフスコショセ大通りにある古代ローマ円形劇場とローマ公開会議場跡は素晴らしく、その新旧が見事に同居する情景は他ではなかなか見られないものである。プロブディフのメイン商店街は買い物の選択肢に溢れ、飲食店はいたるところに点在しているのでぶらぶら歩いているだけでも楽しい。

沢山ある歴史建造物の中から2か所選んで見学した。先ず地域民族博物館に行った。

地域民族博物館正面

バロック様式と民族復興様式がミックスされた建築様式で、黒地の壁に金で描かれた模様が目立つ。館内には、建築当時の家具・調度、民族衣装やブルガリアのバグパイプ等が展示されている。特に庭園は見ごたえがあった。

展示されている民族衣装

もう1か所の、1832年に古代キリスト教会跡地に建設された聖マリーナ教会は、遠くからでも目立つ緑色の鐘楼をもつ教会堂で、内部天井や柱には異なる装飾が施され、一つ一つが繊細かつ豪華なデザインであった。ここでは写真撮影が許されたので、数多くとることが出来た。

豪華絢爛な装飾

昼食はブルガリア料理の定番であるタラトール(冷製ヨーグルトスーピ)とやはり定番のムサカ(挽肉やイモ、トマトのオーブン焼き)が出されたが、乳製品、特にヨーグルトが苦手な私は残念ながら試食できなかった。

嫌いなヨーグルトスーピ

トラキア人が埋葬してある小屋 そして午後から次の訪問地カゼンラクへ約2時間かけて向かった。カゼンラクではトラキア人の噴墓とバラ博物館、それにシピカ僧院を見学した。トラキア人の墳墓は町の北東にあるトュルベト公園内にあり、平屋建ての保存小屋のそばには精巧なレプリカがつくられていた。内部には回廊と埋葬室があり、奥の小部屋には葬儀の宴におけるトラキア人夫婦を描いた壁画で飾られていた。この壁画は必見である。バラの博物館ではバラの香油の製造過程の写真や蒸留釜などが展示され当時のバラの製造を偲ばせた。

二幅馬車の競技が描かれ、埋葬の儀式や祝宴の場面の壁画

次に、町から車で北へ10km行った村に玉ネギ型の屋根が特徴のシプカ僧院があり、外観から見学した。まるでアニメの世界に出てきそうな建物で、訪れる旅行者を楽しませてくれる。 再度車で、今日の宿泊先であるペリコタルノボのホテルに向かった。予定していたより早くペリコタルノボの町に到着したので、旧市街を夕食前に散策して楽しんだ。

シプカ僧院全景

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