モロッコとチュニジア
モロッコとチュニジアの旅(3)

モロッコ王国(Kingdom of Morocco)
44.6万平方キロメートル 3,603万人(2018年 世銀)
首都 ラバト
言語 アラビア語(公用語),ベルベル語(公用語),フランス語

チュニジア共和国(Republic of Tunisia)
16万3,610平方キロメートル 1,157万人(2018年 世銀)
首都 チュニス
言語 アラビア語(公用語),フランス語

チュニジア編
地中海文明が混ざり合う町

(第7日目)

 今日はカサブランカへ行き飛行機でチュニスへ移動する日だ。朝8時ホテルを出発して約4時間をかけて車でカサブランカへ向かった。
 ムハンマド5世空港は思っていたより警備が厳しく空港入り口から長蛇の列で、やっと抜けたかと思ったら次のゲートでかなり待たされた後通過した。午後3時、AT572便でチュニスカルタゴ空港に約2時間半で到着した。
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AT572便
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上空よりチュニス市街を見る

 そのまま車で今日の宿泊先であるフォーシーズンズホテルに入った。
 夕食はホテルのAZURで、子羊のパイ包みなどをいただいた。
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海鮮をあしらった料理
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子羊のパイ包み

(第8日目)

 朝6時半に起床して朝食を済ませ、8時半にホテルを出発して、チュニス旧市街観光に出かけた。
 チュニジアの首都チュニスは64万人が住み国の政治、経済、文化、観光の中心で独特の異文化を持っている。
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チュニジアのシンボルと官庁街
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モダンな建物

 先ず、カスバ広場から旧市街メディナに入り露店が連なる小路地を通ってチュニジア最大で最高の聖地グランド・モスクに行った。
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貴金属店が連なる
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お土産店が立ち並ぶ

 このモスクは別名「オリーブの木のモスク」と呼ばれ、多くのオリーブの木があったことから名づけられたといわれている。
 このモスクを中心にチュニスの街は発展していき、言わばここはチュニスの母のような存在であるとガイドさんが説明してくれた。また、このモスク建造にあたっては多くの石材がカルタゴの遺跡からの流用で造られた。
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トルコ風のミナレット
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チュニスの最高聖地

 見学後シャマーシトゥーナ通りを抜けてフランス門に出た。
 この場所は以前チュニスに来た時見ているので迷子にならず広場に出ることができた。
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フランス門
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ロイヤル・ヴィトリアホテル

 次にポセイドンやオデッセイアのカタルゴからローマ、そしてキリスト教時代までのモザイクの素晴らしいコレクションを収蔵するバルド博物館を見学した。
 この博物館は2015年3月18日、テロ乱射事件の現場になったところである。

 私が、2010年から2011年にチュニジア旅行に行ってチュニジアを離れて3日後に、アラブの春の革命が起こったのを覚えている。5年後に再びバルド博物館に来た。当時とかなり変わって立派な建物ができていて驚いた。ただその時の銃弾の跡がモザイクの展示物に残されていた。

 この博物館は、オスマン帝国時代にチュニジアを統治していたバイ(地方長官)の宮殿であった為、各陳列室には美しいイスラムの化粧漆喰やオスマン様式の装飾がなされ、当時の名残を残している。
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バルド博物館前にて
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銃弾の跡が残された展示物
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オスマン帝国時代の天井
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戦いに勝利した海王星
(海の神のモザイク画)
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ヘラクレスの受難
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魚を取る漁師

 お昼は、ヴィラ・ディトンでイカリング、ステーキ、シャベットをいただいた。
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イカリングの前菜
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柔らかいステーキ

 そして次の見学地カルタゴの遺跡へ向かった。先ず、古代カルタゴの中心だったビュルサの丘へ行った。
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ビュルサの丘のある遺跡
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ポエニ街の遺跡前にて

 ローマによって滅ぼされたフェニキア人によるカタルゴ市の中心があった丘で、現在ポエニ人の墓地跡にトフェ(タニト神の聖城)があり、丘の頂上にニハカルタゴ博物館とサン・ルイ教会が建てられていた。
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石造に顔をのっけてパチリ
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サン・ルイ教会

 次にカルタゴ遺跡のハイライトであるローマ人の社交場といわれたアントニヌスの共同浴場を見学した。
 海を背景に建てられた広大な公共浴場で、2世紀アントニヌス帝が造ったという大浴場の遺跡はかなり規模の大きな遺跡だ。あまりに大きな遺跡なので、共同浴場だったことが信じられないくらいだ。当時は100を超える部屋があり、更衣室、温浴風呂、水風呂、サウナ、プール、噴水、談話室、トイレなどだったそうだ。
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アントニヌスの共同浴場のゲート
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アントニヌスの共同浴場全景
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共同浴場の各室
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サウナ室前にて

 前回訪れたときは、すぐとなりの小高い丘の上にあるチュニジアの大統領官邸を撮影するだけでも注意されたが、その時の大統領は逃亡したので今回は写真に撮るだけは大丈夫だった。

 夕食は、フォーシーズンズホテルの「Greek」で数々のタパス、パスタ、ビーフ&フォアグラ、最後のフルーツの盛り合わせをいただいて満足であった。
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白い塀が続く大統領官邸

 朝6時30分に起床して荷物をまとめて9時45分にホテルを出発して、最後の観光地シディ・ブ・サイドに行った。
 チュニジアンブルーと真っ白な壁が映える町で有名で、チュニスから北東に17kmにあり、南地中海に面した岬の丘の上にある。以前も来て大変感動した美しい町で石畳の坂道を散策するのは最高である。
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ブルーと真っ白な家の前で
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石畳の坂道にある家

 町自体は決して大きくないのだが丘の上にあるため地中海を見下ろすことが出来る。
 特に、海が見える小さな広場に出る。その広場の下にカフェがあり、ここから見る地中海の眺めは最高でシディ・ブ・サイドの代表的な写真ポイントである。

 帰りにお土産屋さんを冷かして車に戻った。そのままチュニスの空港へ向かった。午後2時55分にチュニスの空港を発って経由地ドバイで乗り継ぎ一路成田空港に向かった。
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テラスから見る
シディ・ブ・サイド

 今回の幻想のモロッコ&魅惑のチュジアの旅はとても満足する旅であった。いろいろな国を訪れ見聞を広げ、自分自身の知識や経験を積むことは世界を知るのには最高である。

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