ナコン・パトムから30分くらいのところにある今回の旅行の目玉であるカンチャナブリー(人口95万人)に到着した。この地は第2次世界大戦中、日本軍がビルマへの軍用物資を輸送するため数多くのタイ人や連合軍捕虜(イギリス軍主体)を使って鉄道を敷設した地で、映画『戦場にかける橋』で一躍有名になった。以前よりこの地には来たいと思っていたが、今回訪れることができたのは嬉しかった。
最初に、当時の捕虜収容所の記録を残すJEATH戦争博物館を訪れた。町の南、メークローン川沿いのワット・チャイチュムポンの敷地にある、捕虜収容所を再現した竹で造られたコの字型の建物で、戦争の歴史を物語る。展示物は日本軍による捕虜への拷問を描いたものや、劣悪な環境の中で病魔に冒された捕虜の姿を記録する絵や写真が飾られるショッキングなものだった。何か戦争の悲惨さや命の尊さを垣間見る思いがした。この場所からわずかのところに戦没者慰霊塔があった。これは戦争中日本軍が建てた慰霊塔であり、泰緬鉄道工事で命を落とした人たちのために造られ、日本語のほか英語、マレー語、ベトナム語などで刻まれたものを見て、何か胸にジーンとするものを覚えた。
|