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ロシアの旅(1)〜ロシアの政治・宗教・文化の中心クレムリン〜

(1日目)
今回は今までの訪問先と異なり社会主義から自由主義に変貌を遂げたミステリアスな国ロシアを訪ねた。ロシアと言えば暗い敵国、文化・芸術の国、クレムリンのある国など数々のイメージをもつ国だが、実際に訪れてみると私が想像をしていたものとはまったく違っていて、驚きの連続であった。

8月10日、アエロフロート、ロシア航空576便で定刻から20分遅れて12時20分に成田を離陸した。そしてモスクワ・シェレメチェヴォ国際空港に現地時間5時30分に到着した。入国審査を受けるため空港施設に入ったが、そこはとても狭くて人でごった返していた上に、審査が非常に厳しく入国するまでに何と1時間20分を要してしまった。我々はグループだったので何とかそれでも早目に切り抜けることが出来たが、個人の旅行者はトランクを開けさせられたりで大変だったようだ。空港を出てバスでモスクワの中心街から少し外れたモスクワオリンピック施設の中にあるホテルに到着した。

その夜は自由行動だったのでホテルの地下にあるイタリアンレストランに入ったのだが、ここは値段がとても高くピザとスープにビール1杯だけで2050ルーブル(日本円1万円強)もした。ロシアは物価が高いと聞いてはいたがこれほどとは思わなかった。

(2日目)
朝7時半のモーニングコールで起床し、8時半ごろホテルを出発してクレムリンを含むモスクワ市内観光へと向かった。最初に救世主キリスト教会(聖堂)を外から見学した。この聖堂は以前にはロシア最大のもので、ロシア正教の教会として建てられた。革命や宗教弾圧で何度も崩壊と復興を繰り返して今日に至っている。この教会はなんと1万人も内部に収容できる大きなものだそうで案内人の話では、「この教会の下にはまた別に聖堂がある。」とのことであった。不思議な聖堂である。その後、環状線を通ってモスクワ川の対岸からクレムリンを概観した。その美しさは絶景と言うしかなかった。

そのままバスに乗ってモスクワ大学へ向かった。白樺と菩提樹の並木道を通り抜けると巨大な建物に出くわした。モスクワ大学は当初13名の学生から始められた大学で、スターリン様式の素晴らしい建物だ。何とこの建築に50年を費やしたというが、それは国の威信をかけるためであった。そのままヴィアラビョーヴィの丘(旧レーニン丘)へ向かい、モスクワ市内を一望した。ここからはモスクワの主な名所がすべて見渡すことができた。この丘は何故かモスクワの新婚さんが記念撮影のために来る丘として有名だ。案の定この日も一組の新婚さんに出くわした。二人が白い大きなリムジンで乗り付けていたのには驚いた。次にノヴォデビーチ修道院を訪れた。ここは、1524年スモレンスクがモスクワ大公国に併合されたのを記念して造られた女子修道院である。昼食はロシア名物ビーフストロガノフをいただいた。この時期のモスクワの平均気温は22〜23℃と言われていたが、如何せん今年は異常気象らしく31℃もあるのにほとんどのレストランや各見学施設には冷房施設がなくて、うちわ片手での食事となった。

そしていよいよモスクワ観光のハイライト、クレムリンへと向かった。クレムリンはモスクワでも最高の観光名所で、観光客が必ず訪れる場所である。クレムリンとは“要塞”という意味で城壁内は16世紀時代の姿をそのまま残し、ロシア正教の総本山として多くの聖堂が立ち並ぶ。現在ここにはロシア連邦大統領府が置かれ、プーチン大統領が政務を執っている。ただしプーチンの所在は一切公表されずスケジュールは極秘にされていると聞いて、何か社会主義時代のソ連を彷彿とさせる思いがした。私が幼少のころよくテレビで見ていたクレムリンの中には大会宮殿、元老院(ロシア連邦大統領政府)、武器庫、イワン大帝の鐘楼などがあり、中心には有名なウスペンスキー大聖堂が建っていた。ここは代々ロシア皇帝の戴冠式が行われ総主教が葬儀に付された場所として有名である。また武器庫内のダイヤモンド庫は警護が特に厳重で、私が展示物に近づくとセンサーが感知して警報が鳴りびっくりした。

クレムリンを出ていよいよ私がロシア旅行で一番行きたかった“赤の広場”に足を運んだ。赤の広場を囲んで正面にレーニン廟、片側にポクロフスキー聖堂(聖ワシリー聖堂)、もう一方に国立歴史博物館、またクレムリンの反対側にはグム百貨店が建つ。かつて軍隊や戦車が行進した広場にしては以外に狭いと感じた。当時は軍の威容を誇示するために映像に策略を加えたのかも知れない。赤の広場もそうであったが、グム百貨店の広さとその内部には驚嘆した。中は三階建ての吹き抜けになっていて、有名外資系ブランドやみやげもの店が軒を連ねていた。クレムリンに圧倒されながら、暑さの中かなり歩いたせいで足が棒になった。初日であったが、ロシアのいろいろな部分を垣間見ることができた1日であった。ホテルには夕方着き、食事後疲れた体を休めた。

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