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イスラエルの旅(2) 〜死海と沙漠の造形〜

イスラエル国(State of Israel)
面積 2.2万平方km 人口 約770万人 首都 エルサレム
宗教 ユダヤ教,イスラム教,キリスト教,ドルーズ 言語 ヘブライ語,アラビア語
外務省HP2011年12月現在基礎データより

<第4日目>  
朝8時にホテルを出発して、死海のあるエン・ボケックへ向かった。途中ナザレとメギドに立ち寄った。ナザレは聖母マリアが受胎告知を受けイエスが家族と30年間を暮らした地で、現在は、世界中のキリスト教徒を惹きつける巡礼の町として広く知られている。
先ず最初に訪れたのは、受胎告知教会である。この教会は、マリアが受胎告知を天使長ガブリエルから告知を受けた洞窟の上に1969年の建てられた中近東最大級のしゃれた教会である。いつの時代でもここは聖地であるようだ。そのためか、世界中の巡礼者が押しかけひっきりなしに吸い込めれていく。教会に入る扉はイエスの生活を物語ったストーリが青銅で造られていた。更に教会内部に入ると思ったより広く、礼拝堂の置くの祭壇には、マリアがお告げを受けたとされる洞窟がでーんとあり、当時の雰囲気を思わせていた。驚いたのは、2回の壁にある、聖母子や受胎のマリアの壁画が世界各地から送られたものである。その中には長谷川路可氏とその弟子達によって作られた『華の聖母子』が際立っていた。
この教会のあと、同じ敷地内にある聖ヨセフ教会を見学した。マリアの夫が大工をしていた場所に教会が建てられ、家族3人が寄り添った図柄を壁画やイコン、ステンドグラスで描かれていたのが印象深かった。
次に、ハルマゲドンの語源になったメギドの遺跡丘を見学した。聖書ゆかりの遺丘と呼ばれメギド、ハツォール、ベール・ジェバにある都市遺跡群の1つであり、旧約聖書の時代から幾度となく戦場になってきた名高い古戦場で、城壁跡や、ベール・ジェバの地下水路が残されている。

昼食は、ひよこ豆のペーストとカバーブ・オフ(鶏肉を使った焼肉)とカレー味の野菜煮込みを地ビールを飲みながら食べた。
食事後、車でヨルダン川沿いを南下して死海の北西部にあるエリコに入った。エリコはパレスチナ自治区にあり、イスラエル国籍を持つものは入れず。国境の近くにあるガソリンスタンドで車とドライバー、ガイドを交代して、国境にある検問所を通過して、エリコの町に入った。
この町は古代オリエントの中でも最も古い町で紀元前8000年頃から人間が住んでいたところで、世界最古の町といわれ、海抜下250m と世界で最も低地にある。ここは3000年前モーゼに率いられてエジプトを出たイスラムの民が放浪の末、カナンの地に入ったヨシェアの指揮下で最初に攻め込んだ町であるとガイドが教えてくれた。この町を出た後、やはり死海北西部の岸から約1kmにある『死海写本』の発見で有名なクムランに入った。1947年に近くの洞穴から紀元前に書かれた「イザヤ書」巻物写本がベトウィンという少年が偶然発見した。これは20世紀最大の考古学的発見で、世界聖書学会にセンセーションを起こしたという。羊の皮に古ヘブライ語、ギリシア語、アラム語で書かれた素晴らしいものである。この原本はイスラム博物館ににあるというから最終日に訪れることになっているので今から楽しみである。この日は、歩きすぎたせいか疲れが溜まった。PM7時夕食を済ませて早めの床に入った。

<第5日目>
朝9時30分ホテルを出発してマザダ遺跡を訪ねた。

今回の最も興味があった遺跡だけに期待を膨らまして向かった。マサダ遺跡は死海西岸のユダの荒野の中央に位置し、苛酷な土地に目を見張る巨大な裸の山がそびえ、山頂をスパッと菱形に切ったような形を残したヘロデ王が当時の技術の粋を集めて築いた自然の城塞である。ユダヤ民族結束の象徴ともいえるマサダ砦はローマ軍1万5000人に追い詰められ900人のユダヤ人が籠城し、約3年間守り抜いた要塞である。我々は山頂までの標高400mをロープウェイで行き、その後吊橋を渡って入場した。幸いなことにこのシーズンは暑くなかったので助かったが、冬期以外は強烈な太陽に晒され40℃以上の気温があると言われている。この要塞は1963年〜65年の発掘で、西の宮殿と北の険しい崖を削って造られた三段テラス式懸崖で、1000名以上が籠城してもいいように、大貯水槽、ローマ式大浴場、穀物倉庫跡が残っている。その他、ローマ軍が攻撃のために築いた方形の陣地跡が今も残っている。
我々が見学中、イスラエル軍のステルス性らしき戦闘機6機がマサダ遺跡上空を飛んでいた。エルサレムでも見た。やはりこの国はいつ近隣の諸国と紛争や戦争を起こしてもおかしくない状況であるようだ。

マサダ観光の後、この日に泊まるエン・ボケックに向かった。死海の沿岸に建てられているため「死海浮遊体験」をすることが出来た。死海はヨルダン川から流入する水が年間の日 照時間が長いことからどんどん塩分を濃くしていった。通常の海の11倍の塩分を含むという。地元の人に聞くと塩分の含有量は33%で、舐めると塩辛いというよりも苦く痛みを感じる。ホテルの近くのプライベートビーチで浮遊を経験してみた。不思議なことに私のちょっと重い体が浮くではないか、同行した内科の先生が普通の海と思い海水で顔を洗ったため、あまりの痛さにひっくり返ってしまった。慌てて1人ホテルのプールに戻っていった。私は数人と手を組みながら浮遊した。ともかく力を入れると沈み、体から全て力を抜くと体全体が海水に浮いてしまう。やはり聞いていた通りの死海浮遊体験であった。

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