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イスラエルの旅(4) 〜歴史と宗教が絡み合う民族の地〜

イスラエル国(State of Israel)
面積 2.2万平方km 人口 約770万人 首都 エルサレム
宗教 ユダヤ教,イスラム教,キリスト教,ドルーズ 言語 ヘブライ語,アラビア語
外務省HP2011年12月現在基礎データより

<第7日目>
昨日の疲れも取れ定刻どおり起床して、朝食を済ませホテルを8時に出発した、午前の最初の見学である。エルサレムの東部にあるオリーブ山へ行った。この山はイエスが昇天したとされる場所である。この山から見える旧市街のパノラマは素晴らしく、主の涙の教会、岩のドーム、ロシア正教会、アラブ人やユダヤ人の墓などを一望できる。
写真撮影の後、オリーブ山の麓にあるイエスゆかりのゲッセマネの園を訪れた。ゲッセマネとはヘブライ語で油 搾りという意味で、昔この辺りは一面オリーブ林に囲まれオリーブの精製が盛んなところであったらしい。現在も太いオリーブの木8本が生い茂っていた。イエスはここを祈りのために頻繁に訪れたようだ。この敷地内に万国民の教会が4世紀に建てられた。丁度訪れた時はミサが行なわれていた。

次にエルサレム新市街の目玉で、国の文化的財産の1つであるイスラエル博物館を訪れた。ここのメーンは死海写本館と第2神殿時代(紀元前538年〜紀元後70年)のエルサレムの精巧な模型で実際の50分の1に造られている。死海写本館は外観がUFOか壺のふたみたいな形の建物で、
内部は薄暗く洞窟みたいな感じがした。1947年に死海西北のクムランで発見された世界最古のヘブライ語で筆写されたユダヤ教聖典写本が所蔵されている。中々見ごたえのある写本であった。昼食はヒヨコマメでつくったコロッケと焼肉団子を美味しい地ビールといっしょに頂いた。

昼食後、エレサレム観光を再開した。先ず、虐殺の歴史を辿るホロコースト慰霊博物館(ヤド・ヴァシェム)を訪れた。第二次世界大戦中、ナチス・ドイツによって虐殺された600万人のユダヤ人を慰霊する目的で造られた博物館である。
以前ポーランドのアウシュヴィッツとビルケナウ強制収容所を訪れているだけに、私としてはあまり見たくない写真や記録が展示されていたので早めに見学を終えた。なぜこうも惨殺な写真を展示するのか理解に苦しむ。もちろん“過去を忘れるな”を次世代の人たちに分からせるものではあるが、私としては見たくない場所であることは確かだ。博物館の横の庭園に杉原千畝さんとシンドラーのリストで有名なオスカーシンドラーの記念樹が見られた。

午後の最後は、いよいよ今回のメイン中のメイン、ボヤキではなかった「嘆きの壁」に行った。ヤッフォ門から入り旧市街を抜けてアルメニア人地区を通って坂を登っていくとユダヤ教徒地区に入った。この地区の中にカルドと呼ばれるかつて繁華街として栄えた場所があり、当時の壁画や列柱が今尚残されている。
その通りを抜けて、さらに行くとほどなくして広場に出た。そこが「嘆きの壁(西の壁)」である。ユダヤ人にとっては、聖地中の聖地であり西暦70年ローマ軍によって破壊され、神殿の丘の壁のうち唯一西壁だけが残った。この場所はイスラム教徒は立ち入る事が出来ない場所である。その代わり神殿の丘に建つ岩のドームはユダヤ教徒やキリスト教徒はもちろんイスラム教徒以外は立ち入れない。
嘆きの壁は毎日祈りのため世界各国の人たちが訪れ、壁に向けて何やら嘆いている姿が見られる。
私も神道でありながらユダヤ人のごとく壁に向かって祈りを続けた。「今年もいい年でありますように」と何度も呟いた。不思議にもここで祈っている時は神社仏閣で祈願している時と同じ心境になったのは不思議である。

<第8日目>
今日はイスラエルの滞在最後の日となった。午前中はエルサレム観光の残りを見学して午後にはテルアビブに行く予定だ。
先ずダビデの塔に行くためヤッフォ門をくぐり城壁巡りの入口から階段を上り城壁内に入った。直ぐに右に尖塔が見えた。これがダビデの塔である。紀元前20年にヘロデ王がエルサレムを防備するために、ここにシタデル(要塞)という鉄壁な城壁に囲まれた物を建設した。現在歴史博物館として一般公開されている。


城壁の内部には第一神殿時代の物やカナン時代から20世紀のイスラエル建国に関するエルサレムの歴史の資料や映画及び模型などで紹介されている。エルサレムの歴史を知る貴重な展示物に感嘆した。ファサエルの塔の展望台から旧市街の眺めは素晴らしく何か昔の時代にタイムスリップした思いがした。



城壁の外に出て、次に徒歩で向かったのは、シオン門の松林にの中に建つ鶏鳴教会である。この教会は、ゲッセマネの園で捕らえられたイエス・キリストが石段を通って祭司カパヤ邸に連行され、地下の牢獄に留置され一晩過ごした場所である。
ここからイエスはローマ総督ピラトのところに連れて行かれて裁きを受けた。この時一番弟子であったペテロが自分に罪が及ぶのを怖がり、鶏が鳴く前に三度「イエスのことを知らない」と言った。人間は苦境に立たされると最も信頼する師をも裏切り自分だけが助かろうとするものである。ユダにしてもペテロにしても何故かイエスは裏切ることを預言していたというから驚きである。神を信じ師を尊ぶべき宗教のはずがイエスを裏切ってどうするのだと言いたい。
見学の後、3分程歩いた所にシオンの丘があり、そこにユダヤ教の会堂が建ちその中にダビデ王の墓とダビデの継承者である22人の王を表す石棺にダビデの星が印されたビロード布に覆われた場所があり多くのユダヤ教徒が祈りを捧げていた。その会堂から出て、裏の階段を上った2階に、イエスと弟子とが最後の晩餐を行ったと言われる部屋がある。
これがレオナルド・ダヴィンチの名作に描かれた「最後の晩餐の部屋」である。しかしあまりにも狭いし、多くの巡礼者や旅行者が居たため混雑を極め、うっかり見過ごすところであった。この部屋を出た後、中庭にハープを弾くダビデ王の像が立っていたのが印象的だった。

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