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中国四大観光地の一つ桂林の旅(1)〜山水画の世界を堪能〜

(1日目)
2009年5月3日、前日より宿泊していたANAクラウンプラザホテルを7時過ぎに出発し、バスに20分ほど乗って成田空港第一ターミナルに到着した。
吉祥寺センターの小澤と二人で9時50分発全日空0923便に搭乗し、目的地である中国広州・白雲(パイユン)空港へは気流の影響か約15分遅延4時間50分のフライトで現地時間13時40分に到着した。

広州は2800年の歴史のある中国南部広東省の省都であり、秦漢時代から続く中国南部最大の貿易都市である。人口は650万人、その他600万人の流入人口と併せると東京に匹敵する1250万都市である。白雲空港は現在増設中であり、来年完成すると世界最大規模になるという。さすが大きいもの好みの中国らしい。

空港を後にして今回の旅の最初の訪問地、陳氏書院を訪れた。陳氏書院はこの地広東省に多く住む陳氏姓の人々がその教育のために1894年に建てたもので、師弟により当時の中国の試験制度、科挙制受験勉強をするために使われた。広さ1万5千m2の敷地に大小19の広東民間祠堂建築様式の建物が立ち並んでおり、その屋根に施された「竹林の七賢」「水滸伝」「三国志」などの物語を題材にした装飾が印象的だった。

その後通訳兼ガイド役の李さんに頼んで日程に無い広州市内観光をさせてもらった。街の主要道路・北京路は普段から歩行者天国になっており、多くの広州市民が買い物に訪れていて大変活気づいていた。ここで私は日本で見られないおもちゃをお土産に買った。その足で夕食を食べに街で有名なレストランへ向かい広州料理を堪能した。広州料理というと日本ではあまり馴染みがないが「食在広州(食は広州にあり)」の言葉のごとく広州ではあらゆるものを料理して食べるとのことで、冗談で李さんに「ゴキブリも食べるんですか?」と尋ねると「もちろんですよ。」と答えられ驚いた。そういえば高級食材であるフカヒレやアワビを使った料理は広州料理だ。そしてその味はというとまさしく「食は広州にあり」に偽りの無いものだった。

お腹が膨れたところで再度白雲空港へ向かった。昼間の白雲空港と違い、夜になるとこの空港はだだっ広い割にライトが非常に少なく、文字が読めないほど暗かった。いくら規模は世界一を誇っていてもこれではまったくお粗末だと思った次第だ。そしていよいよこの旅の一番の目的地・桂林に向けて国内線に乗りこみ約1時間のフライトで桂林空港に到着した。この日はそのままホテルに行き早めに床について明日の観光に備えた。

(2日目)
朝、6時45分のモーニングコールで目覚め、ホテルで洋食バイキングを食べてメインイヴェントである漓江下りの船着場に向かった。

船着場にワゴン車で向かう間も道路の両側には桂林ならではの奇岩群がちらほら見えて漓江下りの期待を膨らませた。

桂林は中国西南部に位置し、広西チワン自治区の東北部にある。古来より中国内でも四大観光都市の一つとして名を馳せ、国内からの観光客の数も多い。市の中心部には全長437キロにわたる漓江が流れ、その両岸には石灰岩が約30億年前に隆起し侵食して出来た奇峰・奇岩が連なり、中国南画に見られるまさに絵のような美しい風景で有名だ。

我々は二階建て展望台つきの船の一階に乗り込み早速出発した。船が船着場を出ると直ぐに筏(3本の丸太で組んだもの)に乗った若者たちが物売りに窓際に押し寄せてきたが、通訳の張さんに言われたとおり私はこれを無視してやり過ごした。そうこうする内に河の両側に壮大な奇岩群が姿を現し始めたので私と小澤で展望台に出て眺めることにした。そこに見られたのは絶景という言葉がぴったりの水墨山水画そのものの景色であった。

途中船内で昼食があり、これもまた絶品であった。そして間もなく船は岸に横付けされ我々は船を降りしばらく坂を上って鍾乳洞「冠岩」に入った。
日本にも鍾乳洞は数多くあり、私も何度か訪れたことはあるが、この鍾乳洞の規模といったら日本のそれとは比較にならないぐらい巨大であった。様々な形をした鍾乳石に名前が付けられていたが、私もいくつかに自分なりの名前を付けてみたりして楽しんだ。そして鍾乳洞の中で船に乗るとは思わなかったが、ボートに乗り込み暗闇の中懐中電灯をともしながら進むと、様子はまるでイタリアの青の洞窟を思わせ、ちょっと探検家気分になったりした。
再び漓江に戻り船に乗って再び素晴らしい風景を見ている内、どこかで見たことのある山河が見えてきた。そうだ、それはサントリー・ウーロン茶のCMに使われているまさにその構図だ。さらに船は進み、張さんが「後ろを見てください。」とすすめるので見てみると、それは中国2元紙幣に描かれている景色だった。そしていよいよこの漓江下りでもハイライトとも言える「九馬画山」が眼前に見えてきた。これは巨大な奇岩壁に九頭の馬が跳躍する姿が見えることから名づけられたが、残念ながら私には九頭全てを確認することはできなかった。桂林独特の風景を十分に堪能した我々は興坪で下船しワゴン車に乗って桂林の田園風景を眺めながら本来の漓江下りの終着地、陽朔に向かった。ここは漓江下りの観光により発展した街で、外国人が多く訪れるため洋人街とも呼ばれ、街のあちらこちらに英語の看板が見られた。我々が訪れた喫茶店もどことなく欧米風のテラスのある店で言うならば中洋折衷の感があり、みんな思い思いの飲み物を飲んで喉を潤した。

その後、我々は急遽予定にはなかったが、どうしても少数民族の生活を見てみたいと張さんに頼み込んで、この地に多く住む少数民族の集まるという「桃源」を訪れることにした。まさか本当の桃源郷ではあるまいが、民族衣装をまとい演舞する模様はまさに陶淵明が「桃花源記」に地上の楽園と書いた理想郷を髣髴とさせるほど美しく心和ませるところだった。

桂林市内に戻り、ホテルに帰る前に桂林料理、桂花宴を頂戴した。桂林、すなわち金木犀は桂林市内にたくさんあって、秋に咲き誇るという。桂花宴は料理に金木犀の花を使っているらしいがその料理に使っているのか私にはわからなかった。ともかくこの宴では小澤と老酒も飲んで大変満足した。

そしてその夜は桂林市街地にある劇場で雑技団とバレエを融合したショーを観劇した。昨年5月に訪れた上海でも雑技団の舞台を見て感動したものだが、今回のショーは光と空間を巧みに使ったものではるかにそれを凌駕するものであった。そこで翌日には周りの日本人観光客の方々にぜひ行くよう勧めてしまったほどだ。

ホテルに戻った後その夜は、部屋にマッサー師に来てもらって一日の疲れを癒してから眠りについた。

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