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チュニジアの旅(4)〜イスラムの古都群を訪ねて〜

チュニジア共和国(Republic of Tunisia)
面積 163,610平方km 人口 1,033万人 宗教 イスラム教スンニ派/キリスト教/ユダヤ教
首都 チュニス 民族 アラブ人 その他 言語 アラビア語 フランス語
外務省HP2010年7月現在基礎データより

(第7日目)  
早朝ホテルを出発して、ヌミディア王侯貴族が住んでいたドゥガ遺跡を訪れた。この遺跡はローマ遺跡の中でも最も大きく山の上の丘の斜面に向かって建てられていたようだ。




キャピトル神殿が遺跡の中心にありジュピター、ユノー、ミネルバの3つの神を祭ったもので、内部の聖室は3つに区切られ、6mのジュピター像があったといわれる。その他マーキュリー神殿、アウグストゥス神殿、アレキサンデル・セベルスの凱旋門、ディオニソスとユリシーズの家、リキニアの浴場、トリフォリウムの家などが残っており、まさに一大遺跡群である。
遺跡の見学中、旅の疲れか誤って石を跨ぐときに滑り強く臀部をうった。そこがまさにこの時代の集団トイレの真ん中であったのには驚いた。



グランドモスクはアブラブ朝時代、アブル・アバス帝によって建立され、隣のリバトと共に港や兵器庫を守る要塞として使われた。その為メディナの端に造られて、リバトの塔から祈りの呼び掛けであるアザーンを市民にながしていた。ここはまさにモスクというより要塞や城壁という雰囲気である。リバト(塔)の上からは港やスースの街が一望でき圧巻であった。
次にモスクに隣接するメディナを散策した。

午後より今回の旅の最もメインであるカルタゴ遺跡を見学した。カルタゴは海上貿易や農業の中心として栄華かを極めたところであったが、ローマとの3回の戦に破れ一時は徹底的に破壊された。現在あるカルタゴ遺跡はローマ帝国の植民地時代に建てられたものである。アントニヌスの共同浴場、ローマ人の住居などがあり、まさに古代都市思わせる大規模な遺跡である。



その他カルタゴにはキリスト教徒の処刑も行われたとされる円形闘技場やローマ劇場などがある。この地は現在高級住宅街として知られている。それとこのカルタゴ遺跡の真横に今回のジャスミン革命の首謀者であるベン・アリ元大統領の官邸がでんと構えていたのが印象深かった。ただし写真撮影は禁止されていた。遺跡見学の後、カルタゴ博物館を訪れた。しかし現在大修復中であった為、入場料取らなかった。主にローマのモザイクや神々の像、ポエニ時代の地中海交易品、墓の埋葬品などが展示されていた。特にモザイクの数は多く、大きなモザイク像には圧倒され当時の栄光が偲ばれた。


帰途古代カルタゴの港とビュルサの丘を見学して中心街へ戻った。この夜は首相官邸の中にあるレストランでチュニジア風サラダの盛り合わせと、鶏のクスクス料理を生演奏の民族音楽を聴きながら堪能した。

(第8、9日目)  
この日は朝ゆっくり起床し、最後の見学地メディナを散策した。官庁街から首相官邸横を抜けて、トルコスタイルのシディ・ユセフ・モスクの外観を見ながら進んでいくと、細い路地にあるメディナに出る。さらに軒を並べる店を覗きながら進むと、バブ・ブハル(フランス門)に出た。この門から真直ぐ延びるメインストリート、ジャマー・エズ・ジトゥナ通りはまるでフランスのシャンゼリゼ通りを思わせる。楽しい思い出を胸にカルタゴ国際空港へ向かった。パリ経由で帰国の途に就いた。



今回のチュニジアの旅では世界遺産8ヶ所あるうちイシュケウル国立公園(自然遺産)を除いて7件の文化遺産を訪れたことになる。これはまさにフェニキアの入植から今日までローマ、ビザンチェン、イスラム、オスマンと近代における壮大な歴史絵巻が繰り広げられてきたチュニジアの歴史を振り返る旅でもあった。



しかし今回の旅行きは別な意味で貴重な経験をした思いがする。特に帰国してから1週間後に暴動が起き、10日後に大統領逃亡し、それがきっかけとなりイスラム圏全域に歴史を動かす革命に繋がるとは誰が知りえただろうか。1日も早く平和で、楽しいアラブの国になって欲しいと願っている。

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