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中国の新旧を知る上海と蘇州の旅(2)〜昔の面影を残す水郷の町蘇州〜

(第3日目)
朝7時ごろ起床して、朝食を摂った後迎えのバスに乗り込んで上海から2時間かけて“東洋のベニス”と称される蘇州に到着した。蘇州には世界遺産が4つもあり大変風光明媚な場所で、名園が多くたくさんの観光客で賑わっていた。予定を変更して最初に造園芸術の傑作と言われる「拙政園」を訪れた。さすがに世界の名園といわれるだけあって園内の眺めは素晴らしく我々はこれらにただただ見入ってしまった。この日は前日とは打って変わって晴天であったが、残念ながら黄砂の影響か空はどんよりと曇っていた。

 

この後蘇州料理を食べたのだが、ことのほか美味しかった。ここでは竪琴をかく歌い手が日本の「蘇州夜曲」や「川の流れのように」を演奏して我々を楽しませてくれた。

 

それから南北朝の天覧年間に建設された禅宗の古刹で、高僧・寒山が住んだことから名付けられた「寒山寺」を訪れた。ここには日本から寄贈された鐘もあり、三蔵法師、鑑真そして空海像(写真:6)が同じ建物の中にあったのが印象的であった。

 

この後、蘇州観光を代表する古運河遊覧を楽しんだ。そのまま蘇州の古い町並みを運河から眺めて「虎丘」斜塔を訪れた。ここは春秋時代末期に建てられたと伝えられ白虎が現れたことから虎丘と名づけられた。そして何といっても中国版ピサの斜塔とも呼ばれる“雲岩寺塔”があることで名高く、高さ47メートル八角七層、全てレンガで造られ15度傾斜している。その全容を写真に撮るのに苦心した。そして上海に戻って夕食は最も繁華街にある百貨店の最上階にある「_江南」で四川料理を堪能した。あまりにも多くの素晴らしい料理に紹興酒が利いてちょっと酔っ払ってしまった。その夜はマッサージに行ってホテルに戻り爆睡した。

 

(第4日目)
最終日は朝遅く起きてゆっくり行動する予定を変更して、ガイドさんの案内で上海近郊にある「朱家角」を訪れた。ここはまさに中国のレトロな町並みの広がる“水郷古鎮”で古きよき中国を思わせるところで、近代都市上海から来た我々は何かタイムトンネルを通ったかの様な錯覚に陥った。迷路のように張り巡らされたクリーク沿いに白壁、黒瓦の家並みが連なり日本で言う船頭さんの漕ぐ舟で36ある橋をくぐり悠久の歴史探索を楽しんだ。この水郷は私に言わせれば有名な蘇州のそれより素晴らしく美しかった。特に美周路沿いに並ぶ屋台はとても面白く、ついついいろいろな物を買い漁ってしまった。その中には今年行なわれる北京オリンピックのキャラクターの光るピンバッジもある。
その後、上海市内に戻ってガイドさんに連れられて三人で上海の銀座・南京路を名物の豚肉の串焼きを食べながら“銀ブラ”した。ここには意外にも日本の飲食店が多数ありその中の九州ラーメンの店で日本の味を味わった。
そして5時の便で上海を飛び立った。ここでハッピーエンドと行きたかったのだが、携帯電話をなくしているのに気づいた。それが分かったのは出国検査後であったため、慌てて連絡を取って空港までのバスの中で見つかりその場は事なきを得たと思った。ところが帰国後何日たっても携帯は送られて来ず、再度問い合わせてみたところ中国では計器類を宅配や郵便で送ることが出来ず困り果てた。運よくその後中国に行く旅行者の職員の取り計らいで手元に戻った。まさに中国の一面を見る思いがし、中国は何でもありだと痛感した。

その数日後、四川で大地震が発生し多くの犠牲者を出している。もし元々の目的地で何日か日にちがずれていたらと思うと命拾いした思いがする。
今回の研修旅行はある意味いろいろな体験の連続と予期せぬできごとの連続であった。

最後に地震で被災された方々のご冥福を祈りたい。

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