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メキシコの旅(3)〜マヤ古典期に栄えた遺跡群を訪ねて〜

メキシコの旅も日程の半分が過ぎ第2のマヤ文明の代表的な遺跡ウシュマルと仮面の宮殿と凱旋門で有名なカバー遺跡を訪れた。

(5日目)
朝6時に起床し、早めに出発してカンペチェから鍾乳洞のあるロルトンに向かった。この鍾乳洞は山の一角にありおそらくマヤ族が一時的に雨風をしのぐため滞在していたところと思われている。湿度が高くて足場がぬるぬるして歩くのにもおぼつかない。以前米国のニューメキシコにある世界一大きいカールスバッドの鍾乳洞を訪れているので、大きさにはさほど驚かなかったがマヤ族の壁画が残されていたことに興味を覚えた。

 

次にカバー遺跡を訪れた。この遺跡には仮面の宮殿の異名を持つ神殿があり、道路の反対側には凱旋門と見られる巨大なアーチがそびえていた。おそらくこの神殿からウシュマル神殿まで通じていたと言われている。この土地は雨量が多いせいか、湿度が高く着ているものがびっしょり濡れるくらいであった。

 

近くのホテルで昼食を済ませ、次にマヤ族の末裔の民家を訪問した。この家はマヤ族の面影を残す住居で、屋根が椰子の葉で葺いてある。窓も無く土間の上にハンモックがつるしてあって、簡単なタンスとテーブルが置いてあった。こういう棟が2つあり、もうひとつの棟は仕事場になっており老婆がインドのナンに似たいわゆるメキシコのタコスを料理していた。私はここの主と老婆にいろいろと質問してみた。「今でもこういう生活をしているのか」と尋ねると「我々年寄りはそうしている。若い者は隣に今風の住居を構えて生活している」と教えてくれた。

医療者である私と同行している内科の先生が最も尋ねたかったのが、この地の医療についてである。こんな山奥で病気になったら治療はどうするのか尋ねると、病院も診療所もないのでマヤ族に伝わる病気に効く薬草を庭で栽培して、いざ病気になると汁を絞って塗ったり、煎じて飲むという。まさに自然流の生き方である。名残惜しい民家を後に次の見学地ウシュマル遺跡に向かった。

ウシュマル遺跡はマヤ古典後期の遺跡で純粋なマヤ文化が色濃く残されている。特にプウク様式が特徴の丸いピラミッドがそびえたち、尼僧院、球戯場、総督の宮殿などが存在していた。特にここのピラミッドは古代のマヤ様式と改築されている部分がはっきり分かれているところが興味深かった。それと小人が一夜のうちに造り上げたという伝説から「魔法使いのピラミッドと呼ばれ、マヤ族の象徴とされた。そして驚く無かれ、この遺跡のあちこちには大きなイグアナが自然の中で生息していた。イグアナは見た目は怖いが、優しい動物であることをガイドさんから聞いたので、近づいていって写真を撮りまくった。

 

 

見学の後、一時間半をかけて本日の宿泊の地メリダに到着した。ホテルに着くと夕食が用意されていて、ライムスープ、コチニータピビル(豚のバナナの葉包み蒸し)などユカタン料理を、メキシコワインとともに堪能して、この日の疲れを癒した。

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