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マルタ共和国(Republic of Malta)
面積 316平方km(淡路島の半分)人口 約41万人(2009年末)
首都 バレッタ(人口約6,000人)言語 マルタ語及び英語が公用語 宗教 カトリック
外務省HP2012年12月現在基礎データより
聖ヨハネ騎士団の城壁都市
<第三日目>
ドバイ国際空港を早朝に発ってマルタ共和国に向かった。途中経由のためキプロス島に2時間位立ち寄り、4時間後マルタ島のルカ空港に到着した。この時すでにお昼過ぎの13時30分を回っていた。着後セントジュリアンのバルータ湾の海岸沿いにあるホテルに入った。
夕食まで時間があるので、海岸沿いに歩いて、セントジュリアン中心部に行ってみた。ここは絵画にあるような町でかつては漁村であったが、今ではレストランのほか、カフェ、ディスコなどもある観光名所で、訪れる観光客にとって地中海ならではの景観を楽しませてくれる。マルタの首都ヴァレッタまで8キロの地にあるため多くの旅行者や地元の人がリゾート気分で訪れる場所であるようだ。私も夕食まで時間があるので、ウォーキング気分で海岸沿いを散策してみた。ただこの地は気候が変わりやすいので、暖かいと思って軽装で出たため、ちょっと寒かった。
夕食はホテルの近くのイタリアンレストランに行った。マルタは海鮮料理が美味しいし、何と言ってもワインが安く気軽に飲めた。ワインにタコ料理(実際にはイカだった。)でお腹もいっぱいで、酔いも回ったので、明日のことを考えて早めに就寝した。
<第四日目>
朝食後、ホテルを9時に出発して、タルシーン神殿に向かった。ここは紀元前3000年〜2500年に建設された神殿で2つのクローバーの葉状の石を重ねた形の遺跡が有名である。中央神殿には巨石で仕切られた部屋の一部が見られ、おそらく巫女が神託を施したところのようである。残念ながら朝からの雨で、ゆっくり見ることができなかった。
次に海原のトンネルといわれる青の洞窟に向かった。到着したころはすっかり雨も上がり、青の洞窟をボートで30分くらい遊覧する予定であったが残念ながら波が荒く船旅は中止になった。どうも私は青の洞窟といわれるところは周れないようだ。
イタリアのカプリ島の青の洞窟に行ったときも波が荒く乗船できなかった。ガイドさんと相談して2日後に再度挑戦することにした。その代りに2日後に行くことになっていたスリーシティーズに行くことにした。
スリーシティーズはヴィットリオーザ、セングレア、コスピークワという3つの町が集まっていることからつけられた総称である。以前訪れたギリシアのロードス島から追われた十字騎士団がマルタ島のヴァレッタに逃れて1530年に礎を築いて敵の侵入を拒んだところである。天然の城塞といわれる複雑な地形を利用して、砦、城壁、要塞が築かれたという。そんな中でマルタ騎士団が最初に作った城壁都市がヴィットリオーザである。大きな城門を入ると広場があり、さらに進むと聖アンジェロ砦へ通じる。
次に向かったのがセングレアで、海沿いに広がる町並みは超素晴らしく、湾にクルーザーやヨットが数多く停泊していた。車をさらに進めると監視塔(ガルディオーラ)が見られた。
最後に訪れたボルムラ町は名前をコスピークワに改名したといわれている。ここは古い造船所が海岸線を占めている。
のどかな港町マルサシュロックは、かつてブッシュ大統領とゴルバチョフ大統領が冷戦の終決を宣言したマルタ会議が行われた場所として有名である。
この港町の一角にあるレストランでにんにく風味のスープアリオッタと海鮮料理を食べた。食後海岸沿いに停泊している漁船を写真に収めた。マルタの写真でよく見かける目がついた+ルッツ(Luzzu)と呼ばれる船を見た。この目はオシリスの目と言われ海の災害から船乗りを守る魔よけとしてつけていると現地の人が教えてくれた。ジミー大西さんもよく訪れてこの目が付いている船の作品をのこしているようだ。
昼食後ヴァレッタにある聖ヨハネ大聖堂(聖ヨハネ准司教座聖堂)を見学した。ここはマルタ騎士団の守護聖人ヨハネにささげられた教会として有名である。外観は簡素であるが、内部は今まで見た教会の中でも1、2位を争う豪華さであるが、ただ暗くひんやりした内部は、何か遠く離れた騎士たちの祖国を思う哀愁が漂っているように感じた。
この教会は1573年〜1578年の5年をかけて騎士団の一人建築技師ジェラーロモ・カサールの設計によって建立された。教会内の礼拝堂は、騎士団を構成した8つの国(イギリス、フランス、プロヴァンス、アラゴン、オーヴェルニュ、イタリア、ドイツ、カスティーリャ)の守護聖人に献堂されていた。床に大理石でつくられた騎士団のリーダたちの墓石が紋章で装飾されていたのが印象深かった。さらに奥にある小礼拝堂にガラヴァッジオが描いた絵画『洗礼者ヨハネの斬首』が展示されていた。
大聖堂を出て、ヴァレッタの繁華街の一つリパブリック通りを散策して、ホテルに戻った。
夜、仲間とマルタ騎士団ディナーショーに出かけた。先史時代から現代までの歴史を目の前で見せてくれるショーである。中世の騎士に扮した役者が馬にまたがってオスマン・トルコとの戦いを再現してくれるショウは迫力満点であった。
<第五日目>
マルタ共和国の第二の島ゴゾ島に行くため、早めに朝食を済ませ、バスでフェリー乗り場のあるチェルケウア港に行き、船着場から大型フェリーでゴゾ島のイムジャール船着場までは1時間15分位で到着した。到着してすぐにバスでゴゾ島の中心都市・ヴィクトリアに向かった。その都市の北側に天空の城を想像させる大城塞チッタデルがありここを見学した。ここは坂道の頂に位置し、城壁を巡らした小さな町並みが続いている。城壁は中世後期に造られ、何世紀もの間海賊やサラセン人などによる攻撃の際の非難場所として使われていたようだ。17世紀にはオスマン・トルコ軍の侵攻に備えて騎士団の避難地として再建された。城壁の頂上には平野を一望できる高台があった。ここから見えるのどかで、緑あふれる田園風景は素晴らしかった。
また、町の入口にはゴゾ大聖堂が建立され、右奥にはゴゾ島で発掘されたのが展示されている多考古学博物館があった。
ゴゾの大聖堂内部の天井には遠近法によるドームがあったが、これが実にうまく描かれた"だまし絵の天井画"で誰が見ても絵画と見えなくて驚いた。時間があったので、頼まれたコーヒカップや私の好きな民芸品、手編みのレース、ゴゾの塩を探しにいろいろなショップを覘いた。
次にヴィクトリアの東にある巨石神殿・ジュガンティーヤ神殿を訪れた。紀元前2500年頃に建立され、地中海文明の発祥した場所で、巨人女性サンスーナが建造されていたといわれている。周囲は高さ8mにも及ぶ巨大な石(サンゴ質の石灰岩)が積まれ、生贄を洗うための石や、らせん及び蛇を描いた石などが見ることができた。また右奥には二つの神殿があった。ギリシアで見慣れている遺跡も違う場所でみると違った感じがした。
その後シャーラの北にあるカリプソの洞窟に行った。
この洞窟のいわれは、古代ギリシアの詩人・ホメロスの叙情詩「オデッセイ」で歌われた。美しい妖精カリプソが、主人公オデュッセウスを愛の虜として7年間閉じ込めた洞窟で、彼女はオデュッセウスがここにとどまるならと、永遠の命を約束したが彼は妻の元に戻った。という伝説がある。しかし洞窟そのものは小さなもので、現在は降りてみることができないようだ。
ゴゾ島の最後の見学地、アズール・ウインドーに向かった。数千年の風と波による自然の力によって浸食して造られたもので、先端のアーチの間から素晴らしい紺青の海が覗き実に印象的な景観である。マルタ島の初日訪れるはずであった青の洞窟の遊覧が、強い波のため見れなかっただけにここでの遊覧を期待した。この日は幸い波も高くなかったので遊覧できた。エメラルドグリーンの海水は綺麗で透き通っていた。ゴゾ島の見学を終えて再度フェリーでマルタ島に戻った。忙しかったが充実した一日を送ることができた。神に感謝である。
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