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ポーランド・ドイツの旅(3)〜人間の本質を知る負の遺産と百塔の塔ドレスレン〜

ポーランド共和国(Republic of Poland)
面積 32.3万平方キロメートル 人口 約3,814万人
首都 ワルシャワ 言語 ポーランド語 宗教 カトリック
外務省HP2010年8月現在基礎データより

ドイツ連邦共和国(Federal Republic of Germany)
面積 35.7万平方キロメートル 人口 8,200万人 宗教 キリスト教 ユダヤ教
首都 ベルリン 民族 ゲルマン系を主体とするドイツ民族
外務省HP2010年10月現在基礎データより

<ポーランド・ドイツ編> 

<第4日目>
アウシュヴィッツ強制収容所から3kmほど離れた場所に第2強制収容所「ビルケナウ(ポーランド名:ブジェジンガ)」がある。ポーランド国内に約1300以上ある収容所の中でもアウシュヴィッツと並び最大の規模を誇っていた。この2つの収容所のことを絶滅収容所と呼び一大殺人工場であった。ここは元々ポーランド軍砲兵隊の兵舎を利用している。

バスを降りてすぐの所にこの収容所のゲートがあり、通称「死の門」と呼ばれ、中央が2階だてになっていた。中に入ると映画やテレビなどよくマスコミに出てくる鉄道引込み線がありその長さは何キロにも渡っているのにはびっくりした。引き込み線の両側に広大な区画が広がり碁盤の目のように規則正しく歩道が作られていた。正面に向かって右側は男性中心で囚人や捕虜になった人が収容されるバラック状の建物が並んでいた。反対側の左側には女性、子供、年寄りが収容された施設が今も建っていた。そこを区分するため有刺鉄線が張り巡らされ、それが唯一当時の状況を偲ばせた。バラックの内部を2ヶ所見学した。1ヶ所は収容者が寝泊りしたらしく、ベッドが3段式になっており1段の囲いには3人から4人、多いときは6人くらい寝かされていたという。それが生々しく当時のままに残されていた。次のバラックは集団洗面所(トイレ)であったらしく、部屋の中央にコンクリートで作られたいくつも穴だけ空けられたものがあった。説明を聞くとこれは囚人用のトイレで、使用は 30秒間だけ許可され紙は80センチの長さのものしか与えられなかったという。それも1日1回のみしか使用することができなかった。これではチフスなどの感染症を起してくれといわんばかりである。ともかくこの収容所はとてつもなく広く見学するには時間が足りなかった。我々グループは引込み線上のあるところに献花して犠牲になった方々の冥福を祈った。

  

ビルケナウを見学した後、約230km離れた次の訪問地ヴロツワフに向かった。ヴロツワフ(Wroclaw)はポーランド西部に位置し、第4の都市でこの国では最も古い歴史をもち200以上の橋が架かっていることで有名である。一時はドイツの一部であったこともある。近年は金融の中心地として中世ポーランド王国の伝統を守っている。旧中央広場が中心に市庁舎、日本庭園があるシチトゥニツキ公園、聖アルベルト教会などが見どころである。特に市庁舎の複雑なシルエットが素晴らしかった。またこの広場の一角にあるレストランで食べた肉とキャベツの煮たピコス料理は格別であった。この夜は広場近くのホテルで宿泊した。

 

<ドイツ編>

<第5日目>
朝、国境を越えて、ドイツ最初の訪問地ドレスデンへ入った。この都市は東部ドイツ有数の大都市で「百塔の都」やエルベ川のフィレンツェとうたわれたところで、中世の時代には商業都市として発展し、16世紀以降、ザクセン選帝候の宮殿都市として栄えた。後期バロック様式による宮殿や教会、王の居城や貴族の館が建ち並んだ街は第二次世界大戦では徹底した空爆にあい一夜にして中心部はほぼ灰燼に帰した。1990年の東西ドイツの統合後、歴史的建築物の再建がなされた。その中でも王妃の宮殿再建や瓦礫の堆積の山だったフラウエン(聖母)教会の再建は殊に有名である。昨年になってやっと昔の姿でよみがえったと聞き、我々は運がいいなぁと思った。

ドレスデンといえば城北東側にある武芸競技場だったシュタールホーフの外壁にマイセン磁器のタイルによって描かれた、長さ101メートル『君主の行列』の壁画が有名である。よく戦火を免れて奇跡的に残ったものだと感動した。夢中で大壁画を写真に収めようと必死になってシャッターを押した。私が泊まったホテルはこの壁画の斜め前であったのと旧市街の中心に位置していたため、どこを見学するのにも容易であった。今回は絵画館、ツヴィンガー宮殿、ドレスデン城、フラウエン教会、ブリュールの展望台を見学した。特に展望台から見るエルベ川対岸のノイシュタット(新市街)や旧市街の眺めは素晴らしく、まるで絵葉書を見るような光景であった。

 

夕食は旧市街の外れにあるレストランで久しぶりの中華料理を堪能した。

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