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ロシアの旅(3)〜ロシア帝国の遺産・文化を伝える聖ペトロの町〜

〈5日目〉
いつもよりちょっと遅めのモーニングコールで起床し、8時にホテルを出発してサンクトペテルブルグ市内観光に出かけた。最近のサンクトペテルブルグは渋滞がひどく、観光者は朝早めに出発しないと支障があるようだ。

まず最初に金のドームと円柱の調和が美しいイサク聖堂を訪れた。この教会はロシア帝国の大聖堂では世界で最も大きな教会で、その規模は30階建てのビルに等しく市内のどこからでも見える程だ。次に訪れた宮殿広場は市の中心に位置し、帝政ロシア時代の豪奢な建物に囲まれている。午後にはエルミタージュ美術館を見るのでここでは宮殿の周囲を見るだけにし、西側の元老院広場を訪れた。この広場はロシア革命(十二月)後、反乱を起こした人々を記念してデカブリスト広場と改名された。その後ソ連崩壊直後に再度、元老院広場という名に戻されたようだ。広場の中心にあるピョートル大帝像の青銅の騎士はドイツ出身であったエカテリーナ2世によって建立されたという。

次に昔のクラシック調、バロック調、スタイルモダンなどがミックスした建物をバスの車窓から眺めて、かつて華やかしき時代のロシアを思い浮かべた。昼食は町の中心の古き伝統あるレストランでいただいた。午後からいよいよ今回のメイン中のメインであるエルミタージュ美術館を訪れた。芸術やファッションなどの専門家は誰しもあこがれる美術館で、ここに収蔵される展示物は320万点にものぼる。ヨーロッパの美術のみならずオリエント、中国など世界の遺物や美術品も多く展示され、400もある部屋全体が世界一流の美術品に満たされている。中でもレオナルド・ダ・ヴィンチの初期の作品である“リッタの聖母”など世界超一流の作品には驚嘆した。ただ私の想像だが、かなりのものが戦争の戦利品ではないだろうか。まさに英国の大英博物館を思い起こすものであった。美術品のみならず黄金の客間(王座の間)、黄金のクジャクの時計、ラファエロの回廊など数え上げれば切りがない程黄金の部屋が続き、私はビデオとカメラを撮るのに必死だった。ところがここで我々が2時間かけて見たのは全体の1/4にも達しないものでああやっと終わったと思いドアから出たらそこが冬の宮殿だった。そしてその一部を見学してさきほどの宮殿広場に出た。これは午前中に見学した宮殿広場の反対側に当たりその広さたるや美術館の反対側にある旧ロシア軍単参謀本部まで歩いて10分を有に要した。ここはモスクワ赤の広場よりもずっと巨大なのにはビックリ仰天した。今のロシアより偉大であったといっても良いかもしれない。夜はこのエルミタージュ美術館の別館にあるオペラ劇場<写真8>でオペラを見学した。今年はメチャクチャ暑かったので冷房のない劇場はとても暑く、汗を流しながらの観劇となった。

〈6日目〉
7時半にホテルを出発してバスで市内から南へ約25kmのエカテリーナ宮殿を訪れた。ここでは“宮殿の大広間”と“琥珀の間”が有名であった。黄金の大広間は撮影可能だったが私は写真をもう撮り疲れてしまった。琥珀の間は残念ながら撮影禁止であったが私は奥の手を使って隣の間との間の敷居からカメラを差し込んで数枚撮った。本物の写真としては珍しいものではないか。昼食は名物キエフ風チキンカツレツであったが、味はイマイチであった。午後から最後の訪問地ピョートル大帝夏の宮殿「ペテルゴーフ」を訪問した。この建設にあたってはフランス、イタリアをはじめ世界中から優秀な建築家が集められたという。しかし完成セレモニーが行なわれた1723年の2年後に彼は亡くなった。

 

ここは20kmも水が吹き上がる噴水やサムソン像を中心とした庭園はおそらく世界にも類を見ない美しさであろう。この庭園を見学して船着場に行く間、“いたずらの噴水”と言われる噴水が数ケ所ありそこを通ると急に水が出て観光客が水浸しになるのであった。それを見てあざ笑っていた私も最後のところで躓いた拍子に水浸しになってしまった。まったく間抜けな話である。ここからフェリーで1時間足らずでサンクトペテルブルグ中心街に戻ってこられた。ともかくサンクトペテルブルグは運河がすばらしく、船でクルージングしながら代表的なロシア建築を見られたのは一生の思い出となるであろう。

〈7日目〉
この日は朝遅めの出発であったため同行の4人とネフスキー大通りを歩いて有名な百貨店を訪れた。その帰り我々に物売り数人が近づいてきた。私はとっさに拒否して一人歩き出したが同行者の一人が何と5人組みに囲まれウエストポーチのファスナーが開けられ、現金20万とクレジットカードの入った財布が抜き取られるという事件が起こった。それも私の目の前で起こったのには唖然とした。そんな雰囲気の中、みんなで連れ立ってスーパーマーケットの最後の買い物を楽しんだ。最後に買おうと思っていたキャビアは高価で手が出ず他のものに変えざるを得なかった。今回は“自分の目で見た本当のロシアという国”が想像していたものと違うということに少なからず気がついた。ともかく、意義ある研修旅行となった。

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