起源である古代エジプトではゼラチンを天然物が原料の接着剤、ニカワ(膠)として使われていました。このニカワは化学接着剤が発明されるまで幅広く利用されていました。
1700年頃よりヨーロッパで工業的生産が開始され、その後1800年頃から純度の高い食用ゼラチンが生産されるようになりました。
日本には推古天皇の時代にやはりニカワとして中国から伝えられたとされています。食材としては明治以降に、欧米の食文化到来と共に知られるようにはなりましたが、寒天やくず粉などが既に一般的に使用されていたため、昭和10年頃から純度の高いゼラチンが作られるようになって、ようやく食用として普及しました。
その他にゼラチンは食用というイメージが強いのですが、今でも接着剤を始めカメラのフィルムや印画紙、医薬品のカプセルなどにも使用されています。
ゼラチンは動物の体を形作る繊維状のたんぱく質「コラーゲン」を抽出し精製したものです。たんぱく質を多く含むものであればゼラチンの原料となりますが、安定した生産を保つために多くは豚や牛などの家畜の骨や皮から抽出したものを使用しています。
たんぱく質をそのまま使用しているので、コラーゲンを直接食べることができます。このコラーゲンは肌に張りを与え、潤いを保つ美容効果だけでなく、高血圧の防止、骨粗しょう症の軽減や関節炎の治癒などに効果があると言われています。
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