お酒が嗜好品として登場したのは、紀元前1400年頃の中国と言われています。その後、麹を用いた酒造方法が日本に伝わったのは288年頃とされています。
その酒造方法が伝来するまでは、女性が飯を噛み砕き、唾液交じりの飯を壷に入れて糖化させて造っていました。江戸時代になり清酒が飲まれるようになるまで、にごり酒を飲んでいたことを考えると日本に農耕文化が伝わったおよそ紀元前3000年頃からあったのではという説もあります。
酒粕とは、日本酒の製造過程で発酵終了後に、もろみから清酒成分を搾り出した後に残る白い固形の物質のことです。
もろみの中で溶けきれなかった米粒や麹、酵母、清酒成分などを含んでいるために栄養価も大変高いのが特長です。
酒粕には、酵母に含まれていた豊富な栄養分の多くが残ると言われています。水分が50%程度、炭水化物やたんぱく質、食物繊維、ビタミンB群や亜鉛、また日本酒と同様にアルコールが8%程度が含まれています。
栄養価だけを比べても、清酒より優れていることはもちろん、現代人に不足しがちな食物繊維なども多く含まれています。
酒粕に含まれているアルブミンなどは、メラニンの合成を阻む作用があり、シミやソバカスの改善から美白にまで、幅広い効果があります。
更に、たんぱく質・糖質が多く、脂質が少ない成分なので、ダイエットには適した割合となっており、「デンプン」の分解を遅くし、肥満の防止にも役立ちます。
米を醗酵させて日本酒を造る際にアルコールに加えて独特のにおいとペプチドなどの有効成分を生み出します。ペプチドは悪玉コレステロールをやっつけて、善玉コレステロールを増やすことができるので、血圧を下げたり、血栓を溶かす作用があります。その有効成分の90%以上は日本酒ではなく酒粕に含まれているのです。
他にも、骨粗鬆症、ガン抑制作用等の生活習慣病予防や、認知症予防などに関する研究がすすめられています。 |