日本で塩が作られ始めたのは、狩猟生活から農耕生活に変化した縄文時代の終わり頃からではないかと言われています。人間の身体は、余分になったカリウムを体外に出す時、ナトリウムを必要とします。狩猟生活では動物の肉から塩分を摂ることが出来ましたが、穀物からでは十分な塩分を摂ることが出来ず、自然に塩化ナトリウムである塩を要求するようになりました。
また、外国の多くは岩塩があるので、簡単に塩が手に入ったようですが、日本に岩塩は無い為、技術が発達していない時代では塩は貴重なものだと考えられ塩を作り運んだ先人を「塩土の神」や「塩土の爺」など神として多くの宮で祭っています。
日本での塩作りの始まりは海藻を利用する「藻塩焼き」と呼ばれる方法でしたが、効率が悪く藻を燃やした灰を塩としていたので純度の高い塩とはいえませんでした。その後、弥生時代には海水を天日干しして、さらに海水をかけ濃縮した塩水を土器で煮詰めて塩の結晶を取り出すという方法が取られるようになりました。濃縮して、煮詰めるというプロセスは技術的には現代のイオン膜式など大きな進歩を遂げていますが、原理は変わっていません。
正確にいうと塩はナトリウムイオンと塩化物イオンが電気的に結合した塩化ナトリウムです。
現在の塩は安定した物質なので、常温で保存でき腐敗もしませんので賞味期限の設定を免除されています。
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