酢の歴史は古く、紀元前5000年頃イラクのバビロニアで既に記録に残されており、日本へは弥生時代のころに中国から渡来したとされています。その後江戸時代に入り、紀伊国粉河という所で酒粕が原料の粕酢を、和泉国堺という所で米や麹が原料の米酢が造られ代表的な産地として知られていました。
現在、日本で最も大量に流通している酢は、アルコール酢です。これは、95%のエチルアルコールを原料とし、水で薄めて酢酸発酵させて造ります。
その他に石油から作った氷酢酸を水で薄め、化学調味料等で味付けした合成酢があります。
最近では、醸造酢と合成酢を混合した、混合酢も造られています。
米酢は日本独特のもので、米を蒸して麹菌を発酵させ、それに酵母を植えて酢酸発酵させて造ります。米酢には米の成分に加えて、3回の発酵過程で、菌類らの作る20数種類のアミノ酸、16種類の有機物、それにミネラルやビタミン類等が豊富に含まれています。
酢の一般的な効能は、酸によるものと栄養素によるものとがあります。
酸による代表的な効能は抗菌性で、酸のタンパク質を凝固させる作用で水虫などの真菌類に対して、抗菌性を発揮します。
また、栄養素による効能は多岐に渡ります。
有機酸類による疲労回復やスタミナ増強の効果、肥満や過酸化脂質を抑制する効果、生活習慣病を予防する効果など、多彩な作用があります。
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