ヒポクラテス医学には、「4」という数字が深く関わってくる。
これは、ピタゴラスのテトラクティュス(4つの組)やエンペドクレスの4元素説、アリストテレスによって定式化された4つの基本性質から来たと言われている。
この4つの基本性質は、すなわち、互いに反発しあうか、互いに何らか結び合うかのいわゆる離合の性質の事である。4性質<温質、冷質、乾質、湿質>が入り組んで大きく包括的に全構築物を貫いているのである。
これは、ヒポクラテスの「人間の自然性について」の理論(東西南北、春夏秋冬など、環境との関わりを持つ自然の理論)で出てくるものである。
また、ピタゴラスやアリストテレスなど、自然哲学者達の一元論的発想から、精神的理論に結びつけて、肉体部分の構築に際し、4基本性質と体液質に骨組み化され、肉化されたものであり、これがいわゆる「4」という数字の由来である。
ここにヒポクラテス医学の偉大さが垣間見られるのである。
|