ヒポクラテスの癒す力

2006.03.14更新
(25) 「ワインの薬効」

古代の時代からヨーロッパではワインは庶民の嗜好品としてたしなまれ、また薬として最も有益なものとして重用されて来た。

ワインの歴史は紀元前8000年頃メソポタミアのシュメール人によって造られたとされている。その後エジプトでブドウが栽培され、さらにミノア文明が栄えたクレタを介して、ギリシアでワイン文化が花開いた。当時は赤ワインが薬効として多く用いらレたという。ローマ時代は最高のワインの生産地はイタリアで、気候条件が最もよく、質の高いブドウ酒が造られたと記されている。4世紀に入ってガリア(フランス)にまでブドウ栽培が広がった。

古代の医聖ヒポクラテスは『ワインは薬の中でも最も有益なものである』という言葉を残こしていまる。赤ワインは生長に効用があり、白ワインは肥満防止に効き、また利尿作用に効果をもつ、黄ワインは食物の油化に効用あるとされた。

もっと詳しく言うと、赤ワインにはポリフェノールがあり動脈硬化や心疾患に最も薬効あり、その他では睡眠薬や食欲増進に役立ものとして愛好された。白ワインは肥満を防ぐ他に抗菌作用に優れており、骨粗しょう症や大腸癌防止に役立つとされている。もう1つの黄ワインは強壮、便秘、消化促進、風邪の緩和などに効用があるいう。

その後、ヒポクラテス医学を継承し、ローマ時代に活躍した偉大な医学哲学者ガレノスもワインの薬効に注目して研究したといわれている。

古代から中世ではワインは主に「薬」として愛好されたが、フランスに伝わってから、ワインは食事と一緒に飲まれたり、一般の集まりやパーティーなどでの雰囲気作りにも愛好された。ではワインは体にとって適量はどれくらいか。一日に飲む量は100〜360ml位がいいが、病人の場合は200mlがいいとされている。特にワインは食事と一緒に飲むのが最適である。

それは胃にものがあるのとないのとではアルコールの吸収がが違うからである。つまり胃にものがあるとアルコールの吸収が半分になるからであるようだ。では朝飲むのがいいのか、夜に飲酒するのがいいのかを論じると、昔の文献を見ると朝のワインは血中のアルコールも濃度が高くなるので酔いにくく、夜のワインはアルコールが吸収される速度が遅くてよいが長く続くと記している。

古代でも現代でもワインは薬として用いられるのと生活の中で愛好するものがあるのはどの時代でも一緒であるようだ。


(71)骨の自然性 (1)
(70)流行病 (3)
(69)流行病 (2)
(68)流行病 (1)
(67)内科疾患について(3)
(66)内科疾患について(2)
(65)内科疾患について(1)
(64)病気を見分ける方法
(63)古代においての「急性病」(5)
(62)古代においての「急性病」(4)
(61)古代においての「急性病」(3)
(60)古代においての「急性病」(2)
(59)古代においての「急性病」(1)
(58)自然は病気の医者である
(57)四体液病理説
(56)ヨーロッパとアジアの違い(2)
(55)ヨーロッパとアジアの違い(1)
(54)病気と四季の関係(2)
(53)病気と四季の関係(1)
(52)人間の本性
(51)自然こそ病気の医者(2)
(50)自然こそ病気の医者(1)
(49)病は風の変化によって起こる
(48)古代特有の病「神聖病」
(47)古代の医術(4)古代の病気の形態
(46)古代の医術(3)ヒポクラテスの食餌法
(45)古代の医術(2)医術の知識の重要性
(44)古代の医術(1)医術の起源
(43)ヒポクラテス医学は全人的医学
(42)自然学から生まれた医者(Physician)
(41)神殿医学から自然医学に与えた影響(3)
(40)神殿医学から自然医学に与えた影響(2)
(39)神殿医学から自然医学に与えた影響(1)
(38)日本医学に影響を与えたヒポクラテス
(37)なぜ「医学の父」と崇められたのか
(36)医学は哲学から科学へ
(35)人間も自然の一部
(34)医師のモラルと良心(2)
(33)医師のモラルと良心(1)
(32)弱い痛みが強い痛みに隠される
(31)性ホルモンの影響を知る
(30)健康なときこそやるべきこと
(29)誰にでもある「癒す力」
(28)医者と患者のいい関係
(27)ヒポクラテス流・正しい医者の選び方(2)
(26)ヒポクラテス流・正しい医者の選び方(1)
(25)ワインの薬効
(24)ヒポクラテスの痔治療
(23)よい食習慣
(22)血液型による効果的な食事法
(21)病気を引き起こす原因は変化である
(20)気候風土と人間の関係性
(19)人間の体と季節の関係
(18)人間にとって最も大切なものは健康である
(17)病気を引き起こす原因は変化である
(16)人間が見る夢は心身の状態や病気と深い関係を持つ
(15)医者と患者のいい関係
(14)ダイエットの理想的な方法
(13)ヒポクラテスの人物像
(12)年齢と季節の関係
(11)女性は湿性で冷たく、男性は乾性であったかい
(9)「4」を持つヒポクラテス医学
(8)ヒポクラテスが教える120歳まで生きる法(2)
(7)ヒポクラテスが教える120歳まで生きる法(1)
(6)神経系を脅かす投薬治療
(5)治療は患者さん自身が自由に選択できる
(4)個人差を無視する現代医学
(3)医学の父ヒポクラテスが教える癒す力
(2)医学の父ヒポクラテスが教える癒す力
(1)医学の父ヒポクラテスが教える癒す力

Copyright(C) Natural Medicine Network