ヒポクラテスの癒す力

2012.05.31更新
(63)古代においての「急性病」(5)

食餌法と薬物法

急性病の養生法には多種多様な方法があるが、一般的に、急性疾患において重病に見えても、患者が壮年期で体力があれば、瀉血をするとよい。咽頭炎は、両腕から瀉血し、軟膏を首のまわりに塗り羊毛を巻き、お湯に浸して絞った海面を当てて温める。肺炎は、蜂蜜に入れたガルバヌムと松かさの芯を調合したものや醋蜜(お酢の一種)に入れたニガヨモギなどがいい。便秘は座薬が最もよう。それでも良くならないときは、ダウコスを芳香ぶどう酒で潰して朝沐浴前の空腹時に飲ます。胃炎は流動食を摂らせる。飲み物は蜂蜜水が効果がある。痔は太く長い脱脂していない生羊毛の糸を針で刺し貫き、強く結び腐蝕剤を用いる。

薬物は下剤としては干しイチジク1個につきタカウダイの汁を7滴たらして、食前にあたえる。止血剤は、イチジクの搾り汁を羊毛に浸し、血管にあてがう。眼の薬としては、きれいにした酸化銅を油に混ぜ、水気のない粉状にして滑らかに潰し、熟して苦いぶどうの汁で湿らせ陽光に晒して乾かし、軟膏状の粘り気にしたものを眼に塗ったり、眼の縁に注いだりする。以上、急性病の代表的な食餌法と薬物法を記述した。


(71)骨の自然性 (1)
(70)流行病 (3)
(69)流行病 (2)
(68)流行病 (1)
(67)内科疾患について(3)
(66)内科疾患について(2)
(65)内科疾患について(1)
(64)病気を見分ける方法
(63)古代においての「急性病」(5)
(62)古代においての「急性病」(4)
(61)古代においての「急性病」(3)
(60)古代においての「急性病」(2)
(59)古代においての「急性病」(1)
(58)自然は病気の医者である
(57)四体液病理説
(56)ヨーロッパとアジアの違い(2)
(55)ヨーロッパとアジアの違い(1)
(54)病気と四季の関係(2)
(53)病気と四季の関係(1)
(52)人間の本性
(51)自然こそ病気の医者(2)
(50)自然こそ病気の医者(1)
(49)病は風の変化によって起こる
(48)古代特有の病「神聖病」
(47)古代の医術(4)古代の病気の形態
(46)古代の医術(3)ヒポクラテスの食餌法
(45)古代の医術(2)医術の知識の重要性
(44)古代の医術(1)医術の起源
(43)ヒポクラテス医学は全人的医学
(42)自然学から生まれた医者(Physician)
(41)神殿医学から自然医学に与えた影響(3)
(40)神殿医学から自然医学に与えた影響(2)
(39)神殿医学から自然医学に与えた影響(1)
(38)日本医学に影響を与えたヒポクラテス
(37)なぜ「医学の父」と崇められたのか
(36)医学は哲学から科学へ
(35)人間も自然の一部
(34)医師のモラルと良心(2)
(33)医師のモラルと良心(1)
(32)弱い痛みが強い痛みに隠される
(31)性ホルモンの影響を知る
(30)健康なときこそやるべきこと
(29)誰にでもある「癒す力」
(28)医者と患者のいい関係
(27)ヒポクラテス流・正しい医者の選び方(2)
(26)ヒポクラテス流・正しい医者の選び方(1)
(25)ワインの薬効
(24)ヒポクラテスの痔治療
(23)よい食習慣
(22)血液型による効果的な食事法
(21)病気を引き起こす原因は変化である
(20)気候風土と人間の関係性
(19)人間の体と季節の関係
(18)人間にとって最も大切なものは健康である
(17)病気を引き起こす原因は変化である
(16)人間が見る夢は心身の状態や病気と深い関係を持つ
(15)医者と患者のいい関係
(14)ダイエットの理想的な方法
(13)ヒポクラテスの人物像
(12)年齢と季節の関係
(11)女性は湿性で冷たく、男性は乾性であったかい
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(7)ヒポクラテスが教える120歳まで生きる法(1)
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(5)治療は患者さん自身が自由に選択できる
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