ヒポクラテスの癒す力

2007.07.13更新
(34) 「医師のモラルと良心(2)」

医師の職業倫理については既に述べたように、宣誓の内容は時代や国によって変わり、宗教的な判断もこれに加わります。ここでは例としてアメリカ医学会が採用している誓いの項目を取り上げます。

「性別、宗教にかかわらず、厳粛に誓います。
一つ、医学という職業を忠実に遂行します。また、医学を職業とする人に対して、公正かつ寛大さをもって接します。
一つ、正しく誉れある生涯を送ります。また、自分の技術は、正しく誉れをもって使います。
一つ、患者がどんな家に住んでいようと、病気を治すためにだけ自分の力を最大限に発揮します。不正や堕落からは遠ざかり、他人を悪に引き込むことはしません。
一つ、自分の技術を磨くのは、患者の治療のためにだけです。頼まれても、たとえそそのかれたものだとしても、犯罪の目的のために薬を用いたり、手術をしたりはしません。
一つ、患者の生活についての秘密はもらしません。」

このように『ヒポクラテスの誓い』は世界中で医師が守るべき倫理として今も生き続けています。しかし、日本では近代的な西洋医学を明治時代に取り入れた際に『ヒポクラテスの誓い』は一緒に取り入れられなかったようです。かつて日本は「医は仁術」という言葉が生き続けていましたが、今では何か忘れられた存在になったようで悲しいかぎりです。もう一度欧米のように『ヒポクラテスの誓い』を正式に取り入れ、哲学を含めた医学倫理として医師及び医学生に教育して欲しいものです。


(71)骨の自然性 (1)
(70)流行病 (3)
(69)流行病 (2)
(68)流行病 (1)
(67)内科疾患について(3)
(66)内科疾患について(2)
(65)内科疾患について(1)
(64)病気を見分ける方法
(63)古代においての「急性病」(5)
(62)古代においての「急性病」(4)
(61)古代においての「急性病」(3)
(60)古代においての「急性病」(2)
(59)古代においての「急性病」(1)
(58)自然は病気の医者である
(57)四体液病理説
(56)ヨーロッパとアジアの違い(2)
(55)ヨーロッパとアジアの違い(1)
(54)病気と四季の関係(2)
(53)病気と四季の関係(1)
(52)人間の本性
(51)自然こそ病気の医者(2)
(50)自然こそ病気の医者(1)
(49)病は風の変化によって起こる
(48)古代特有の病「神聖病」
(47)古代の医術(4)古代の病気の形態
(46)古代の医術(3)ヒポクラテスの食餌法
(45)古代の医術(2)医術の知識の重要性
(44)古代の医術(1)医術の起源
(43)ヒポクラテス医学は全人的医学
(42)自然学から生まれた医者(Physician)
(41)神殿医学から自然医学に与えた影響(3)
(40)神殿医学から自然医学に与えた影響(2)
(39)神殿医学から自然医学に与えた影響(1)
(38)日本医学に影響を与えたヒポクラテス
(37)なぜ「医学の父」と崇められたのか
(36)医学は哲学から科学へ
(35)人間も自然の一部
(34)医師のモラルと良心(2)
(33)医師のモラルと良心(1)
(32)弱い痛みが強い痛みに隠される
(31)性ホルモンの影響を知る
(30)健康なときこそやるべきこと
(29)誰にでもある「癒す力」
(28)医者と患者のいい関係
(27)ヒポクラテス流・正しい医者の選び方(2)
(26)ヒポクラテス流・正しい医者の選び方(1)
(25)ワインの薬効
(24)ヒポクラテスの痔治療
(23)よい食習慣
(22)血液型による効果的な食事法
(21)病気を引き起こす原因は変化である
(20)気候風土と人間の関係性
(19)人間の体と季節の関係
(18)人間にとって最も大切なものは健康である
(17)病気を引き起こす原因は変化である
(16)人間が見る夢は心身の状態や病気と深い関係を持つ
(15)医者と患者のいい関係
(14)ダイエットの理想的な方法
(13)ヒポクラテスの人物像
(12)年齢と季節の関係
(11)女性は湿性で冷たく、男性は乾性であったかい
(9)「4」を持つヒポクラテス医学
(8)ヒポクラテスが教える120歳まで生きる法(2)
(7)ヒポクラテスが教える120歳まで生きる法(1)
(6)神経系を脅かす投薬治療
(5)治療は患者さん自身が自由に選択できる
(4)個人差を無視する現代医学
(3)医学の父ヒポクラテスが教える癒す力
(2)医学の父ヒポクラテスが教える癒す力
(1)医学の父ヒポクラテスが教える癒す力

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