医師の職業倫理を元に作られた誓文はもともと『ヒポクラテスの誓い』から抜粋されたもので、今日では「医師のモラルの最高の指針」として世界中の医科大学や医療機関で医学倫理として使われています。その一部を紹介すると次のようになります。
「医神アポロンなどの御照覧をあおぎ、次の近いと師弟誓約書の履行を、私は自分の能力と判断の及ぶかぎり全うすることを誓います。
この術を私に授けていただいた先生に対するときは、両親に対すると同様にし、共同生活者となり、何かが必要であれば私のものを分け、先生の子息たちは兄弟同様に扱い、彼らが学習することを望むならば報酬も師弟誓約書もとることなく教えます。(中略)
養生治療を施すにあたっては、能力と判断の及ぶかぎり患者の利益になることを考え、危害を加えたり、不正を行う目的で治療することはいたしません。
また、求められても、致死薬を与えることはせず、そういう助言もいたしません。
治療するときもしないときも、人びとの生活に関して見聞きすることで、口外すべきでないものは、それを秘密事項と考え、口を閉ざすことにいたします。
以上の誓いを私が全うし、これを犯すことがないならば、全ての人びとから永く名声を博し、生活と術のうえでの実りが得られますように。しかし、誓いから道を踏みはずし、偽誓などすることがあれば、逆の報いを受けますように。」
以上の『ヒポクラテスの誓い』は医師の戒めと決意として使われています。
|