医術とはいったい何か。そしてそれを行なう医療者のモラルとは何か。古代に書かれた『ヒポクラテス全集』を読むと、医師と医術についてはっきりとした定義なされている。
<ヒポクラテスの教え>
医術とは、病気による痛みや苦痛を取り除き、病気の勢いを鎮め、病気に負けた人を救うこと。そして、医師とは、医療者としてふさわしい資質を備えたうえで実地の経験を積み、医術の知識を自分のものとするために、さらに厳しい修行を積んだ者にのみ与えられる資格である。
現代医学の多くは、体のある一部分だけを治療する唯物的な考え方に立脚している。患者を安心させようというねらいからか、現代医学ではどんな症状に対しても病名をつけ、その病気だけを相手にして、患者の全体像については無頓着だ。そこから現代医学に対する不信感が生まれている。
それに対して、「精神面を含めて自然との調和こそが健康である」と考えるのが自然医学の基本理論だ。人間は心身の総合体であり、その人間が病気になるのだから、病人の全人格や生活全体を把握して救うという患者重視の姿勢が大切なのはいうまでもない。
しかし、現実には、現代医学は患者の自然治癒力を弱らせたうえ、病気が複雑化した社会に戻しているだけなので、治ったと思えてもまた病気になってしまう。その患者を再び受け入れて治療に励み、さらに病人の自然治癒力を失わせている。このような病気対治療の悪循環が、医療に対する不信を募らせているが現代医療だ。
現代医学は、そろそろこうしたことに気づくべきだ。現代医学に対する不信感を拭い去るには、もっと他の医療である東洋医学や自然医学をもう一度勉強することが必要だ。そして患者さん自身も、自分の中の自然治癒力を高めるように体質改善を実行されたほうが良いと思う。
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