ヒポクラテス全集の骨の自然性については、他の病名に比べる記載は少ないが、その中の重要事項について記述する。
骨は大きく分けて2種類あり、それは脊椎動物の骨格である内骨格由来のものと、無脊椎動物(節足動物など)骨格である外骨格由来のもので、内骨格は脊椎骨や骨盤骨、肋骨、上肢骨、下肢骨などの中を通る骨である。それに対して、外骨格は頭蓋骨と鎖骨であり、魚類から両生類そして哺乳類へと進化するたびにそのほかの骨格は退化していった結果、この2つの骨格が残った。
生物が生き残っていくためには固い殻のようなものが必要であった。それは外敵から身を守るために必要に迫られてのことである。しかし、進化に伴い固い殻である皮骨は退化し、人では頭蓋骨と鎖骨だけになってしまった。これは自然の圧力、種間圧力、そして同類圧力と進化していく過程で自然の圧力が変わり、スキンシップの充足などによって外皮が軟らかい皮膚となった。その結果、甲皮類と違って人の外骨格は頭蓋骨と鎖骨だけになった。
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