子どもが具合悪くなったとき、薬やドリンク剤を買ってきて飲ませ、何でもかんでも、すぐに病院に連れて行く親に対し、「子どもには自分で治す力があるから、私が痛いところをさすってやろう」というおじいちゃんがいたとします。これを別の表現に置き換えると、子どもが「現代人」で、親が「現代医学」、おじいちゃんが「ヒポクラテス」に例えられます。近年、世界中の先端医療が自然治癒力に注目するようになって来ました。つまり環境・天候・食事を中心として、自然の摂理にのっとった代替・相補医療が、いかに患者さん本人の持つ自然治癒力を活かし、容体が安定してくるかわかってきたからであります。人間のDNAには変化する力や癒す力のメカニズムが内包されており、体の中の遺伝子が自動的に体の修復を始めます。現在この原理を使って世界の注目を集めている医療が“キューバ医療”であります。疾病になる前の段階で治療を施すことで、自然治癒力を大いに発揮させて健康体の体をつくることができます。これも全てヒポクラテスが提唱した“人間には治す力”が備わっているという概念を実証したものであります。現代の医学に任せると、とかく薬やメスが手段になります。病院では自然治癒力は治療手段として使ってくれません。常日頃から体自身が発するメッセージを聞き取り、健康への舵取りができるようにしておくことが大切です。これがヒポクラテスの教える「人間も自然の一部」につながります。 |