アジア人とヨーロッパ人の比較を交えて人間の本性と自然環境についてヒポクラテスは明白に説明している。
先ず、その土地に生える植物や人間の性格について述べるとアジアでは全てのものが美しく大きく育ち、土地も耕しやすく、住民の性格も優しく穏やかである。その理由はもちろんアジア各地を通して気候がうまく調和されているからである。勿論アジア全土にいえることではないが、私の知る限り、アジアは暑さと寒さの中間にある土地が多く、気候が良く、よって樹木がよく育ち良質の水を得ることが出来る。家畜のは発育もよく丈夫な子を多くさん生むことができうる。人間についてもよく育ち、形状、背丈も相互の差異があまりない。四季に恵まれているせいかヨーロッパ人に比べて戦闘的ではなく、気質が穏やかである為、快楽志向が強くなる。それは暑さや寒さの上で大きな変化が起こらないからの衝撃や肉体上の激しい変化がみられるためである。それに対してヨーロッパは寒暖の差がはっきりしているせいか、気質の変化が激しく、荒々しく勇気や忍耐力、勤労力が備わってくる。勿論、民族によっても相違はある。ヨーロッパ人はアジア人に比べて体形は大きく、勇敢さが強い。その反面、順応性や温和差が乏しい。
また、アジア人は専制君主が多いためヨーロッパ人より好戦的になることが多々にしてみられると古代の偉人ヒポクラテスが一述べている。これらのことが少なからず中世においても、現代においても多々にしてあるように思える。
アジア人やヨーロッパに関わらず、他の大陸でも気候風土と人間性の関わりは明白である。
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