ヒポクラテス全集の「古来の医術」の中では「熱」、「寒」、「湿」、「乾」についてまとめている。古来人々は病気や死の根本原因を「熱」、「寒」、「湿」、「乾」のうちの一つ、あるいは二つと仮定した。しかしこれらの仮定が多くの場合、誤りであったとしている。それを見抜くことが医術の重要性と考えた。
医術は経験や知識がなければ病人に対する治療は全て行き当たりばったりになってしまう。他の全ての術を使う者がその熟練と見識において大きな優劣があるように、医術においても状況は同じである。
ヒポクラテスは「医術は空虚な仮定を必要としない」と述べている。医術は想像以上に大変な技術と探求心を待って成就されるものである。どんな職人でもどうしたら超一流の仕事ができ、どうしたら人より優れたものを創ることができるか追求しなければならない。よってどんな職人でも日々努力や訓練をつんで行くように、医者もより修練をつみ学説の基礎ではなく、実践的な医術の基礎を学んで病人に接していかなければならない。
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