わたしたちが体や精神を健康に維持する為に最も必要なことは、神経の平衡です。
神経系の異常は人間の体の生理学的平衡を狂わせ、結果として病気を引き起こします。すべての痛み、運動を支配する筋肉の異常、生化学的なバランスを保つホルモン系の故障などは、それらを支配する神経の異常が原因となるからです。
最近は、こうした神経の異常に対しても薬物を多量に与える病院が増えています。これは問題です。 神経そのものは強い細胞で作られていますが、その強い細胞を投薬によって弱くしてしまうからです。コッホが結核菌を発見してから、病原菌を直接薬で殺すようになりました。それはまだよいことですし、必要なことです。しかし体をコントロールする神経に対してまで、科学薬品を使って危険にさらす必要はないはずです。
昔は、こうした治療法はありませんでした。今は各病院に神経科や精神科ができました。かつてはこうした分野はあまり表に出る存在ではありませんでした。複雑化する現代ならではの現象です。そして、こうした分野でも投薬中心の治療法が行われ、神経そのものを必要以上に抑えつける方法が主流を占めるようになりました。
中枢神経、末梢神経、自律神経などに対してそれぞれ違った薬をあたえていますが、いろいろな反応が生じて患者自身ではコントロールができない状況になっています。その結果、いろいろな臓器、器官、骨格、筋肉までが異常を起こしているケースが本当に多いのです。
自分自身で病気を治す力を人間は備えていて、この力は病気にさいしてばかり働くのではなく、常に健康を維持するように働いています。このエネルギーが最大限に機能していれば、しっかりと健康状態にあるのです。
大切な事は、こうした病気を引き起こす根本の原因を発見することに主眼を置き、人間の体の先天的治癒力を高めることによって病気を根本的に治癒することです。
ヒポクラテスは次のようにいっています。
「人体は疾病に対して自然に回復する。医師はその回復
する自然の力を補佐するのが天命である」
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