古代においては病気を3つのプロセスに分けていた。すなわち未熟期・成長期・分離期の3つである。未熟期は体液が変化を始めるとき、成熟期は液体の沸騰が生じるとき、分離期は発病が起こり病原体の排除作用によって病気が治癒するときである。病気は自然の成り行きによって起こる。中には偶発的に発生するものもある。古代の医術では人間に生じる症状のどれだけのものが力(体の作用の強さと鋭さ)関係から起こり、どれだけのものが形態(人体の臓器)の関係から起こるかを重視した。例えば胃は中が空洞になっていて、一方が広く他方が先細りとなっているものというようにである。
古代医術では、肉から液を引き寄せ吸い取る器官として頭・膀胱・子宮などがあるとした。また脾臓、肺、などスポンジ状で多孔質のものは、液体を吸収力が強く、液体がより増えれば硬く膨張する。したがって空っぽになることはない。もう1つ重要な臓器である肝臓は柔らかく肉付きがよい。血が多く緊密であるために抵抗して体内ガスは行く手を阻まれ、より膨張して硬くなり激しくぶつかって血が充満して苦痛を生じる。そしてさらにこれが頻繁に起こることで化膿や、腫瘍ができてくる。
病気のときと健康なときとでは体の形態に大きな相異があるということを忘れてはならない。この相異を知ることにより、適切な処置を講ずることができる。
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