ヒポクラテスの癒す力

2012.03.15更新
(62)古代においての「急性病」(4)

食事の回数と食餌法(2)

古代は一日三食ではなかった。それが一日三回も満腹になるまで摂ると、苦しみはもっと激しくなる。それが四回以上摂ると、更にひどい状況になり得る。しかし中には一日三回摂っても何も影響がない人も沢山いるが、彼らはその方法に慣れているからである。

一方、一日二食の人が昼食を抜くと元気が無くなり、どんな動きにも無気力になり腹痛すら起こす。そして更に胃腸が重く下がったような感じになり、尿は熱っぽくて黄色く、大便は細く黒くなる。人によっては口の中が苦くなったり、目がへこんだり、こめかみがピクピク痙攣を起こしたり、手足が冷たくなったりする。昼食を食べ損なった人の多くは、きちんと夕食を摂ることが出来ない。もし、夕食を摂ると、胃腸が重くなり昼食を摂っている時と比べ眠りが浅い。

健康な人でも、養生法を半月ほど変えただけでこのようになるのだから、日常の食事の回数を増やしたり、減らしたりすることがいかに悪いのか明らかである。普段一食か摂らない人は丸一日の絶食を次のようにすると良い。苦痛となる寒さ、暑さ、それに体力の消耗を避け、夕食の量は普段より少なめにし、むしろ水分は多めにすると良い。翌日は昼食を軽く摂り、徐々に普段のペースに戻すと良い。以上の事実も、病気を引き起こす最大の原因が、我々の体質が習慣の急激な変化にある事を示している。そのために時期を誤って絶食させたり、また状態が極めて悪く炎症がある時には、食事を与えることは避けた方が良い。


(71)骨の自然性 (1)
(70)流行病 (3)
(69)流行病 (2)
(68)流行病 (1)
(67)内科疾患について(3)
(66)内科疾患について(2)
(65)内科疾患について(1)
(64)病気を見分ける方法
(63)古代においての「急性病」(5)
(62)古代においての「急性病」(4)
(61)古代においての「急性病」(3)
(60)古代においての「急性病」(2)
(59)古代においての「急性病」(1)
(58)自然は病気の医者である
(57)四体液病理説
(56)ヨーロッパとアジアの違い(2)
(55)ヨーロッパとアジアの違い(1)
(54)病気と四季の関係(2)
(53)病気と四季の関係(1)
(52)人間の本性
(51)自然こそ病気の医者(2)
(50)自然こそ病気の医者(1)
(49)病は風の変化によって起こる
(48)古代特有の病「神聖病」
(47)古代の医術(4)古代の病気の形態
(46)古代の医術(3)ヒポクラテスの食餌法
(45)古代の医術(2)医術の知識の重要性
(44)古代の医術(1)医術の起源
(43)ヒポクラテス医学は全人的医学
(42)自然学から生まれた医者(Physician)
(41)神殿医学から自然医学に与えた影響(3)
(40)神殿医学から自然医学に与えた影響(2)
(39)神殿医学から自然医学に与えた影響(1)
(38)日本医学に影響を与えたヒポクラテス
(37)なぜ「医学の父」と崇められたのか
(36)医学は哲学から科学へ
(35)人間も自然の一部
(34)医師のモラルと良心(2)
(33)医師のモラルと良心(1)
(32)弱い痛みが強い痛みに隠される
(31)性ホルモンの影響を知る
(30)健康なときこそやるべきこと
(29)誰にでもある「癒す力」
(28)医者と患者のいい関係
(27)ヒポクラテス流・正しい医者の選び方(2)
(26)ヒポクラテス流・正しい医者の選び方(1)
(25)ワインの薬効
(24)ヒポクラテスの痔治療
(23)よい食習慣
(22)血液型による効果的な食事法
(21)病気を引き起こす原因は変化である
(20)気候風土と人間の関係性
(19)人間の体と季節の関係
(18)人間にとって最も大切なものは健康である
(17)病気を引き起こす原因は変化である
(16)人間が見る夢は心身の状態や病気と深い関係を持つ
(15)医者と患者のいい関係
(14)ダイエットの理想的な方法
(13)ヒポクラテスの人物像
(12)年齢と季節の関係
(11)女性は湿性で冷たく、男性は乾性であったかい
(9)「4」を持つヒポクラテス医学
(8)ヒポクラテスが教える120歳まで生きる法(2)
(7)ヒポクラテスが教える120歳まで生きる法(1)
(6)神経系を脅かす投薬治療
(5)治療は患者さん自身が自由に選択できる
(4)個人差を無視する現代医学
(3)医学の父ヒポクラテスが教える癒す力
(2)医学の父ヒポクラテスが教える癒す力
(1)医学の父ヒポクラテスが教える癒す力

Copyright(C) Natural Medicine Network