ヒポクラテスの癒す力

2011.11.15更新
(60)古代においての「急性病」(2)
ヒポクラテスが急性病に対して食餌法を重要視した。特に熱病の患者には大麦粥を与えるのがよいとした。しかし他の医者たちは患者が大麦を粒の状態が残ったまま飲み込むのは有害だと判断して、亜麻布を使って大麦粥を濾したうえでその汁を与えた。

この当時、一般の人たちは医術などどこにも存在しないかのように考えていた。なぜなら、一般の人々は医術は占いの術に似ていると思っていたからである。ところが、ヒポクラテスは食餌法を考えることはきわめて有益で、医術が抱える多くに重要な問題と関わっていると信じていた。実際、食餌法はどんな病人が健康を回復する場合でも、健康な人がそれを維持する場合にも、叉運動選手が体調を上手く整える場合でも大変重要なことである。

東洋の教えに、「正しい食事をしておれば、病気にならない。病気になったら食事を正しくすればよくなる。それでもよくならないときは薬を使えばよい」とある。西洋の医学の父ヒポクラテスも「食べ物で治せない病気は、医者でも治せない」と言っている。西洋でも東洋でも共通しているのは「食事を正すことなくして、健康はなし」という考え方である。急性病でも慢性病でも食餌療法が一番よい方法だと古代では考えられていた。


(71)骨の自然性 (1)
(70)流行病 (3)
(69)流行病 (2)
(68)流行病 (1)
(67)内科疾患について(3)
(66)内科疾患について(2)
(65)内科疾患について(1)
(64)病気を見分ける方法
(63)古代においての「急性病」(5)
(62)古代においての「急性病」(4)
(61)古代においての「急性病」(3)
(60)古代においての「急性病」(2)
(59)古代においての「急性病」(1)
(58)自然は病気の医者である
(57)四体液病理説
(56)ヨーロッパとアジアの違い(2)
(55)ヨーロッパとアジアの違い(1)
(54)病気と四季の関係(2)
(53)病気と四季の関係(1)
(52)人間の本性
(51)自然こそ病気の医者(2)
(50)自然こそ病気の医者(1)
(49)病は風の変化によって起こる
(48)古代特有の病「神聖病」
(47)古代の医術(4)古代の病気の形態
(46)古代の医術(3)ヒポクラテスの食餌法
(45)古代の医術(2)医術の知識の重要性
(44)古代の医術(1)医術の起源
(43)ヒポクラテス医学は全人的医学
(42)自然学から生まれた医者(Physician)
(41)神殿医学から自然医学に与えた影響(3)
(40)神殿医学から自然医学に与えた影響(2)
(39)神殿医学から自然医学に与えた影響(1)
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(37)なぜ「医学の父」と崇められたのか
(36)医学は哲学から科学へ
(35)人間も自然の一部
(34)医師のモラルと良心(2)
(33)医師のモラルと良心(1)
(32)弱い痛みが強い痛みに隠される
(31)性ホルモンの影響を知る
(30)健康なときこそやるべきこと
(29)誰にでもある「癒す力」
(28)医者と患者のいい関係
(27)ヒポクラテス流・正しい医者の選び方(2)
(26)ヒポクラテス流・正しい医者の選び方(1)
(25)ワインの薬効
(24)ヒポクラテスの痔治療
(23)よい食習慣
(22)血液型による効果的な食事法
(21)病気を引き起こす原因は変化である
(20)気候風土と人間の関係性
(19)人間の体と季節の関係
(18)人間にとって最も大切なものは健康である
(17)病気を引き起こす原因は変化である
(16)人間が見る夢は心身の状態や病気と深い関係を持つ
(15)医者と患者のいい関係
(14)ダイエットの理想的な方法
(13)ヒポクラテスの人物像
(12)年齢と季節の関係
(11)女性は湿性で冷たく、男性は乾性であったかい
(9)「4」を持つヒポクラテス医学
(8)ヒポクラテスが教える120歳まで生きる法(2)
(7)ヒポクラテスが教える120歳まで生きる法(1)
(6)神経系を脅かす投薬治療
(5)治療は患者さん自身が自由に選択できる
(4)個人差を無視する現代医学
(3)医学の父ヒポクラテスが教える癒す力
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