<ヒポクラテスの教え>
患者の体から発する信号を注意深く聞け
この言葉は人間の持つ貴重な自然治癒力(野生のエネルギー)を妨害したりおろそかにしたりしてはいけないということです。
ヒポクラテスの時代、ギリシャのアスクレピオス神殿で横たわっていた病人が夢の中で現れた神様の治療によって治ったという話しも、実は自然治癒力によるものだったと考えられます。
「癒す力」は誰でも体の中に備わっているものです。精子と卵子が結合し細胞分裂を繰り返して骨や血管、内臓、神経、皮膚、髪の毛などの複雑な構造物が完成していくプロセスを想像してみて下さい。そして、それらは成長したり老化したりしながら生きていきます。そうできるのもその過程においてメンテナンス装置が備わって補充しているからです。
遺伝子は親から子へ必要な情報を伝えるだけでなく、日常の生命活動でも重要な役割を担っており、1分1秒も休むことなく働いています。物質レベルだけではなく精神レベルも遺伝子の働きに影響を与えているとしか考えられない現象が数多く起きています。例えば、一夜にして髪の毛が白くなったり、ある病気に特別な効果があると信じられたりしている温泉で本当に病気が治ってしまうことがあります。そうしたことが起きることは精神的ショックや信じる心の裏側で遺伝子が働いているからです。よく世間で奇跡といわれる出来事が実際に起きるのは、心の働きが遺伝子に影響を与えているためです。言い換えれば、日常的に心の中で何をどう考えているかが遺伝子の働きに大いに影響を与え、病気になったり治ったりするということです。自然治癒力のメカニズムは現代医学や科学では不透明な部分が多いとみなしているのは確かです。しかし、遺伝子の働きがあるからこそ、そうしたことが可能だということです。
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