<ヒポクラテスの教え>
医術は人間が行なう技術の中で最も神聖で高貴な行為である。したがって、医術を身につけようとする人間の資質や施す教育がきわめて重要である。
近年、医療ミスが深刻な問題としてマスコミをにぎわせているが、そうした事故を起こす以前の根本的課題として、このような考え方が吟味されているだろうか。
ヒポクラテスは、次のような厳しい教訓も残している。
<ヒポクラテスの教え>
聖なることは聖なる人にしか知ることは出来ない。不親切であってはならず、時には奉仕の精神で治療をするべきだ。
医師とは医療者としてふさわしい資質を備えたうえで、実地の経験を積み、医学的知識を自分のものにするために、さらに厳しい修行を積んだ者のみに与えられる資格だ。
医療技術は植物の成長のようなもので、医師という優れた大地に知識という種をまき、経験を積み重ね、よく耕すことで立派な花を咲かせ、実を結ぶことができる。
こうした意識のもとで自らの資質を高め、経験を積み、知識を蓄えた医師でなければ、安心できないのも事実だ。これはヒポクラテス時代の特殊事情だとは考えられない。現代でもこの三要素が揃わないと医療技術が発展し続けられないと思う。
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