「聡明な人ならば、人間にとって最も大切なものは健康であるということをよく認識し、疾病の際には自分自身の的確な判断で自分を助けることができなければならない。また、医者が自分の体に対して診断してくれることや処方してくれることをしっかり把握し、わきまえることができなければいけない」とヒポクラテスは一般の人々に対してこのようにいっています。
さらにヒポクラテスは「健康とは体と心を含む内的な力と外的な力との調和的バランス状態の表現である」と定義付けました。
もともと人間は自然界のなかに生き、生活をしていました。「病気を治す」とは、自分自身をこの自然に戻すことで、自然に戻せば自然に活性化するのではないだろうか。人間は本来、痛みを痛みと率直に感じ、悩みを悩みとして成長を遂げてきました
最近では、化学薬品によって痛みを痛みと感じなくなってきました。人間が持つこうした本来のメカニズムを敵視して、ひたすら病気や死を恐れ、延命のみに固執し、あたかも医学は患者に人間としての自覚を持たせないようにしているかのようです。
これから訪れるであろう近未来の医学は、欧米の傾向を見ると、「治る」から「癒す」に移行しています。 「治る」は結果を重要視する西洋的なもの、「癒す」は過程やプロセスを重要視する東洋的なものです。
何はともあれ過程も結果も共に大切にする医学こそが真の医学ではないでしょうか。
アメリカの歴史で見てきたように、医学は患者さん自身が自由に選択できるものです。そして多くの人が選択した医学こそがこれからより発展していきます。
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