ヒポクラテスの癒す力

2004.05.20 更新
(5)「治療は患者さん自身が自由に選択できる」

「聡明な人ならば、人間にとって最も大切なものは健康であるということをよく認識し、疾病の際には自分自身の的確な判断で自分を助けることができなければならない。また、医者が自分の体に対して診断してくれることや処方してくれることをしっかり把握し、わきまえることができなければいけない」とヒポクラテスは一般の人々に対してこのようにいっています。

さらにヒポクラテスは「健康とは体と心を含む内的な力と外的な力との調和的バランス状態の表現である」と定義付けました。

もともと人間は自然界のなかに生き、生活をしていました。「病気を治す」とは、自分自身をこの自然に戻すことで、自然に戻せば自然に活性化するのではないだろうか。人間は本来、痛みを痛みと率直に感じ、悩みを悩みとして成長を遂げてきました

最近では、化学薬品によって痛みを痛みと感じなくなってきました。人間が持つこうした本来のメカニズムを敵視して、ひたすら病気や死を恐れ、延命のみに固執し、あたかも医学は患者に人間としての自覚を持たせないようにしているかのようです。

これから訪れるであろう近未来の医学は、欧米の傾向を見ると、「治る」から「癒す」に移行しています。 「治る」は結果を重要視する西洋的なもの、「癒す」は過程やプロセスを重要視する東洋的なものです。

何はともあれ過程も結果も共に大切にする医学こそが真の医学ではないでしょうか。

アメリカの歴史で見てきたように、医学は患者さん自身が自由に選択できるものです。そして多くの人が選択した医学こそがこれからより発展していきます。


(71)骨の自然性 (1)
(70)流行病 (3)
(69)流行病 (2)
(68)流行病 (1)
(67)内科疾患について(3)
(66)内科疾患について(2)
(65)内科疾患について(1)
(64)病気を見分ける方法
(63)古代においての「急性病」(5)
(62)古代においての「急性病」(4)
(61)古代においての「急性病」(3)
(60)古代においての「急性病」(2)
(59)古代においての「急性病」(1)
(58)自然は病気の医者である
(57)四体液病理説
(56)ヨーロッパとアジアの違い(2)
(55)ヨーロッパとアジアの違い(1)
(54)病気と四季の関係(2)
(53)病気と四季の関係(1)
(52)人間の本性
(51)自然こそ病気の医者(2)
(50)自然こそ病気の医者(1)
(49)病は風の変化によって起こる
(48)古代特有の病「神聖病」
(47)古代の医術(4)古代の病気の形態
(46)古代の医術(3)ヒポクラテスの食餌法
(45)古代の医術(2)医術の知識の重要性
(44)古代の医術(1)医術の起源
(43)ヒポクラテス医学は全人的医学
(42)自然学から生まれた医者(Physician)
(41)神殿医学から自然医学に与えた影響(3)
(40)神殿医学から自然医学に与えた影響(2)
(39)神殿医学から自然医学に与えた影響(1)
(38)日本医学に影響を与えたヒポクラテス
(37)なぜ「医学の父」と崇められたのか
(36)医学は哲学から科学へ
(35)人間も自然の一部
(34)医師のモラルと良心(2)
(33)医師のモラルと良心(1)
(32)弱い痛みが強い痛みに隠される
(31)性ホルモンの影響を知る
(30)健康なときこそやるべきこと
(29)誰にでもある「癒す力」
(28)医者と患者のいい関係
(27)ヒポクラテス流・正しい医者の選び方(2)
(26)ヒポクラテス流・正しい医者の選び方(1)
(25)ワインの薬効
(24)ヒポクラテスの痔治療
(23)よい食習慣
(22)血液型による効果的な食事法
(21)病気を引き起こす原因は変化である
(20)気候風土と人間の関係性
(19)人間の体と季節の関係
(18)人間にとって最も大切なものは健康である
(17)病気を引き起こす原因は変化である
(16)人間が見る夢は心身の状態や病気と深い関係を持つ
(15)医者と患者のいい関係
(14)ダイエットの理想的な方法
(13)ヒポクラテスの人物像
(12)年齢と季節の関係
(11)女性は湿性で冷たく、男性は乾性であったかい
(9)「4」を持つヒポクラテス医学
(8)ヒポクラテスが教える120歳まで生きる法(2)
(7)ヒポクラテスが教える120歳まで生きる法(1)
(6)神経系を脅かす投薬治療
(5)治療は患者さん自身が自由に選択できる
(4)個人差を無視する現代医学
(3)医学の父ヒポクラテスが教える癒す力
(2)医学の父ヒポクラテスが教える癒す力
(1)医学の父ヒポクラテスが教える癒す力

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