人は自然の力によって生を受け、その命を全うして死に至る。その過程において諸種の生命現象により行動する。その行動は全て自然の力であり、自己が存在することは環境に順応して行った生命現象の経験から来るものである。
原始人たちは自然の力と超自然の力が共に自分達の生活に影響を与えてくれるものと思い込んでいた。自分達の不運や病気を魂、魔女、その他の超自然の力を悪の仕業と考えていた。自分達の感覚で知覚できるような自然の力が身体や心に影響していることを経験の中から感じ取っていた。この事実は原始人たちに限らず、現代人においても不可思議なものへの信仰が合理的な科学や哲学から得られた知識と共存していることからもわかる。
例えば春になれば自ずと感覚が目覚め、秋になると哀愁に包まれ、星が自然な夢を誘うように今でも神秘的な自然現象は現代人の生活の中にも入り込んでいる。そのことを古代において知らしめたのは占星術である。占星術は天体が人間の運命に及ぼす信仰や日々の生活で起こる他愛のない出来事も多く取り扱う。また客観的な知識と両立できない神秘主義的な非合理的なものも多く存在し、最近でもまったく根拠不明の科学にマッチして合理的だと思わせられることもある。
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