菱形筋(リョウケイキン)とは背骨から左右それぞれの肩甲骨の内側に付いている背中の筋肉で、その名の通り菱形をしています。
菱形筋は背骨と肩甲骨をつなぐ主要な筋肉で、多方向へ動く肩関節や背部だけでなく、他の筋肉にも大きく関係しています。また、浮遊骨である肩甲骨を支えていることと、対の動きをする大胸筋に引っ張られているため、常に緊張状態でコリやすい筋肉のひとつです。
菱形筋が緊張と肩や背中にコリを感じ五十肩や背部痛の原因にもなり得ます。
前述の通り、菱形筋は肩や背部など広範囲にわたり関係してきます。ストレッチングで菱形筋を柔軟にしておくことで、次のような効果が期待できます。
・肩コリ、五十肩などの予防や肩周辺の不快感、重圧感の改善 ・長時間座ったままのデスクワークなどから起こる背中のコリや痛み、血行不良の改善 ・猫背になり胸郭が狭まった状態になるのを防ぐ。肩甲骨を正しい位置に保ち、深い呼吸ができるようになる。
(1)まず、右側の腕を、体の前で胸の高さくらいまで持ってきます。肘は軽く曲げるくらいにしておきます。
(2)左腕で、体の前に持ってきた右腕の肘の辺りを抑えて引き伸ばします。
(3)菱形筋のあたりに張りを感じるまで腕を引いたら、その姿勢を30〜60秒維持します。 この時、絶対に勢いをつけないようにしましょう。 左側も同様にストレッチングします。 通常は左右2セット、入浴後などに行って下さい。
ムリに腕を引こうとせず、適度な張りを感じるところまでにしましょう。入浴後など体が温まっている状態で行ったほうが筋肉がゆるんでいるためストレッチングしやすく効果的です。 少しずつ伸ばしていくと、筋肉に負担をかけずにストレッチングできます。