腹直筋は、お腹の前面を覆うように付着している長く平たい筋肉です。一般に腹筋といわれる筋肉は、この腹直筋のことを指しています。人間の体には重力に対して姿勢を保持する働きを持つ坑重力筋(脊柱起立筋群、腹直筋,大殿筋、大腿四頭筋、下腿三頭筋)といわれる筋肉群があります。
腹直筋は坑重力筋の一つであるため、ただ立っているだけでもわずかに緊張していますし、あらゆる身体運動において体のバランスを保つために使われます。また腹部の臓器を正しい位置に保ち、正常な働きを維持する役割もあります。
お腹周りの贅肉は誰でも気になると思います。元々腹部には大事な臓器が多く存在し、それを守るために脂肪が付き易くなっています。
お腹の脂肪を気にして腹部の筋肉を鍛えることに目が行きがちですが、抗重力筋である腹直筋は緊張状態が長く続くので他の腹部の筋肉よりも張りやすく普段からリラックスさせることを心掛ける必要があります。
特に、重いものを持ったときや、鍛える前後に行えば、腹直筋の柔軟性を高め筋肉痛やケガの防止だけでなく血行を良くするのでお腹の脂肪燃焼にも役立ちます。
1、うつ伏せになり、両手を胸の横で床に着けます。
2、ゆっくりと腕を伸ばして体を反らせます。
3、この体勢を30秒から60秒維持し、その後ゆっくりとうつぶせの状態に戻ります。
これを2セット繰り返し行います。
お風呂上りなど、筋肉が温まった状態で行うとより効果的です。
腕を伸ばすのが辛い方は肘を床に着け、支えるようにして体を反らせると楽に行えます。
体を反らすことで腰椎(腰の骨)の神経が圧迫されることがあります。この体操を行なっている最中に脚のしびれや鈍痛を感じる方は控えて下さい。