胸鎖乳突筋(きょうさにゅうとつきん)は胸骨(胸骨頭)と鎖骨(鎖骨頭)から、側頭骨の乳様突起と後頭骨の一部に伸びる筋肉です。この筋肉の働きは胸鎖乳突筋のアイソメトリックス体操でもご紹介したように左右に顔を振り向かせます。右に顔を向ける動作では左の胸鎖乳突筋が使われ、左を向く動作では右側の筋肉が使われます。また、うなずくような下を向く動作では両側の胸鎖乳突筋が使われます。 胸鎖乳突筋は交通事故やラグビー、アメフトなどのコンタクトスポーツで損傷しやすい筋肉です。
肩コリの原因は首の後ろ側にある僧帽筋や肩甲挙筋の緊張が主な原因です。しかし長時間同じ姿勢で事務仕事やパソコンを行っている方はこの胸鎖乳突筋が意外と緊張している場合が多くあります。 この筋肉は自分で触ることができるので硬くなっている方は是非このストレッチングを行ってみてください。 また交通事故やコンタクトスポーツなどで鞭打ちになってしまった場合、この筋肉が損傷し緊張しています。鞭打ち症の症状を和らげるのにもこのストレッチングは有効です。
1.姿勢を正し正面を向いて立つ、もしくは座ります。 2.右の胸鎖乳突筋をストレッチするために左手で右鎖骨を押さえ、頭を左斜め後ろに倒します。 この時、あごを左斜め上に突き上げるように行います。 3.この姿勢を30〜60秒間維持し、逆側も同様に行います。 運動後や入浴後など体が温まっているときに行うとより効果的です。
腕に神経症候が出ている側に頭を倒すと症状が悪化する可能性があるので、その方は注意してください。もし症状が悪化した場合は直ちにストレッチを中止してください。