“手関節屈筋群”の“手関節”とは手首の関節のことを指し、“屈筋群”とは手首から肘にかけての前腕部にある、橈側手根屈筋（とうそくしゅこんくっきん）、長掌筋（ちょうしょうきん）、尺側手根屈筋（しゃくそくしゅこんくっきん）などの筋肉のことを言います。

手関節屈筋群は、手首を手のひら側に曲げるときに使われています。通常、何か物を持ち上げたり引っ張ったりする際に、手首を反ったままだとうまく力が入りません。このような場合は、手首を曲げますが、そのときに働くのが手関節屈筋群です。

手関節屈筋群などの前腕の筋肉は、手首を固定させる役割もあるので、これらの筋肉が衰えるとチョッとした重みや衝撃に耐えることができずに手首のねんざを起こし易くなります。

手首を痛めてしまうと荷物を持ったり、手で体を支えるのも辛くなり生活する上で何かと不便なことが多くなるでしょう。このようなことの予防にも、このアイソメトリックス体操は役立ちます。

１．イスに姿勢良く座り右手の手のひらを上にして右太ももの上に置きます。

２．左の手のひらを右の手のひらの上に置き動かないよう下方に力を入れます。

３．右の手のひらは抵抗するように上方に向かって力を入れ6秒〜7秒維持します。
　　このとき、右手首の筋肉を意識して行うと良いでしょう。

これを5〜8回繰り返し、左手も同様に行います。

入浴後に行うと筋肉が温まっているため、負担が少なく行えます。立った状態でも行えますが、その場合は鍛える側の肘と肩が動かないように注意しなければならないので、やはり座った方が行い易いでしょう。

前腕の筋肉は、毎日の細かい手作業などで非常に疲労がたまりやすい箇所ですので、前腕のストレッチも適度に行い、筋肉に負担をかけすぎないように注意して下さい。