総理府の「体力スポーツに関する世論調査」(1994年)によれば、「今一番やりたいスポーツ」のランキングでウォーキングが第1位になった。
確かに最近はジョギングに代わりウォーキングをやる人が老若男女に問わず多くなったのは事実だ。もともと人間はなまくらだし年齢を重ねると同時に運動はしなくなる傾向にある。その理由は、時間がないから、仕事や家庭で疲れているから、などである。しかし、ウォーキングは1日のうちで空いている時間を自由に使ってできるし、通勤や通学の途中でも十分可能な運動である。服装やシューズを職場などに用意してうまく時間を活用すれば支障が起こらないで済む。
現代社会のほとんどの人は“半健康人”といわれ、ストレス(精神的・食的・肉体的)を抱えていて、いつも不安を抱いている人が多くいる。ストレスを受けると体内、特に脳の中で発熱を起こす。大脳や自律神経など神経は全てたんぱく質でつくられているため、熱を加えると固まってくる性質を持っている。そこで脳の働き特に神経系統の働きを正常にするには脳脊髄液の流れを活発にして、できる限り熱を発散して体のバランスを整える必要がある。人間の身体的構造の根幹をなす頭骨(後頭骨)と骨盤の中心である仙骨は相反作用により髄液の流れを活発にしている。その相反作用をスムーズに働かせることが熱を下げることにつながる。
この作用を助けているのが呼吸と歩行運動だ。仕事において動かないでデスクワークや同じ動きばかりすると、この体循環を悪くし脳のうつ状態をつくったりする。その意味からもウォーキングは仕事をスムーズにする上においても大切な運動だ。
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