人間は長い間、移動手段として歩くことが当然と思われていた。だが、僅か100年の間に急速な交通の発達によって歩くことが少なくなった。つまり能動的な移動が受動的移動に変わったのである。その為、人間の平衡感覚が鈍り、平衡を司る前庭小脳の働きが落ちて、自律神経の働きが不安定になってきた。
平衡を保つためには骨格がしっかりしていなければならない。人間は歩かないと骨格も弱くなる。さらにカルシウム摂取不足が重なると特に男性より女性は骨の病気ともいわれている骨粗しょう症になりやすい。それは女性ホルモンが関係している。骨を丈夫にするためにはカルシウムを摂る必要がある。
もう1つ欠かすことができないのが運動である。運動を長く続けることによって骨密度を高めることになるということがアメリカの調査でも出ている。いかに大地を踏みしめて歩くという行為が重要であるかが分かっていただけるのではないだろうか。
参考文献:歩くとなぜいいか? PHP文庫 より
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