●もし白血病になってしまったら
急性白血病になってしまったら一刻も早く抗がん剤を用いた化学療法を開始する必要があります。まずは初回寛解導入療法を行います。これは完全寛解(骨髄や末梢血液中に白血病細胞がない状態)を目的とした強力な治療法です。その他に中枢神経系に直接抗がん剤を投与する髄腔内注射や中枢神経に対して放射線療法を行う場合もあります。また、AMLの1つである急性前骨髄性白血病ではレチノイン酸(ビタミンA)を内服して白血病細胞の分化を誘導する分化誘導療法を行い完全寛解を目指すケースもあります。これらの治療途中に感染予防や抗がん剤の副作用に対しての治療も行われていきます。場合によっては途中で造血幹細胞移植を考慮することもあります。寛解導入療法後は残った白血病細胞を更に減少させる寛解後療法が行われます。
CLLでは進行がゆっくりであるため、リンパ球数の増加やリンパ節の腫れ、赤血球や血小板の減少などがみられるまでは治療を必要としません。病期が進行した場合は症状の改善を目的とした化学療法を行います。しかし、この白血病では根治できる方法が確立していないのが現実です。
CMLは2001年にイマチニブ(グリベック)が日本でも承認されるようになり治療法が大きく変わりました。この薬は唯一、この白血病を治す可能性があるとして期待されています。しかし、新しい薬であるため長期的な効果は確認されていません。この薬が効かなくなったら移植を検討するのが一般的です。
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