最近、花粉症の症状を和らげる効果のある飲み物として注目されているのが、中国で古来より健康に良いお茶として珍重され愛飲されてきた甜茶です。
甜茶とは、甜の字が表しているように、「甜=甘い」という意味で、ほのかな甘さのあるお茶の総称です。甜茶にも色々と種類がありますが、甜茶ならなんでも良いというわけではありません。いま中国で飲まれている甜茶は4種類です。ユキノシタ科の臘蓮繍球(ロウレンシュウキュウ)、アカネ科の牛白藤(ギュウハクトウ)、ブナ科の多穂柯(タスイカ)、バラ科キイチゴ属の「甜葉懸鈎子(てんようけんこうし)」などをそれぞれ原料にしたものです。そして、アレルギー症状を引き起こす原因、「ヒスタミン」など化学物質の分泌を抑制、抗炎症作用があるのはバラ科キイチゴ属の甜葉懸鈎子だけとされています。この葉から作られる甜茶には、花粉症などのアレルギー症状(鼻水、鼻づまり、くしゃみ、目のかゆみなど)や、アトピー性皮膚炎などに有効な成分である「甜茶ポリフェノール」が含まれているという研究成果が発表されています。
花粉症は、花粉によって起こるアレルギー性の病気です。人の体には体の外から侵入してくる異物に対して、その物質を排除するはたらきがあります。体は、花粉という異物(アレルゲン)が侵入するとまず、それを受け入れるかどうかを考えて、外部から侵入してきた物質(抗原)に、対抗する物質(抗体)を作って体を守ろうとします。 花粉症の場合、花粉という抗原に対し、体は「IgE抗体」と呼ばれる抗体を作って反応します。 抗体ができた後、再び花粉が体内に入ると、鼻の粘膜にある肥満細胞の表面にある抗体と結合します。そして、肥満細胞から化学物質「ヒスタミン」などが分泌され、神経や血管を刺激します。知覚神経が刺激されると「目や鼻のかゆみ」や「くしゃみ」「鼻水」「涙」といった症状を示し、血管が刺激されるとうっ血やむくみが生じ、「鼻づまり」「目の充血」といった症状が現れます。それらの症状を甜茶に含まれる「甜茶ポリフェノール」が緩和させます。
一般的にアレルギーの治療に使われている、抗アレルギー剤や、ヒスタミン剤には副作用があるとされていますが、甜茶からの副作用は報告されていません。甜茶には甜茶ポリフェノール、ルブソシド、カルシウム、カリウム、マグネシウム、各種アミノ酸、亜鉛、鉄などのミネラルが豊富です。ルブソシドは甘味成分で砂糖の75倍の甘味がありますが、カロリーはゼロです。そして、カフェインは含まれていません。
抗アレルギー効果を期待するには、甜茶エキスとして一日120mg程度の摂取は必要であるといわれています。食間(食事と食事の間)や寝る前(カフェインは入っておりませんので眠れなくなることもありません)に飲むと効果的です。
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