C型肝炎〜ゆっくりと体を蝕む病〜

説明

C型肝炎に感染していると疑いのある人は日本におおよそ180〜200万人以上いるといわれ世界では1億7千万人近くのキャリアがおり、決して他人事では済まされない病気の一つです。

輸血や過去に使用されていた非加熱血液製剤の使用がはっきりとしている場合以外は原因の特定は非常に困難で、一部に鍼治療や刺青(タトゥー)、薬物の注射、臓器移植や医療現場での針刺し事故など感染経路は様々です。また、稀に性行為によっても感染することが確認されており、HIV感染者の5人に1人がC型肝炎に感染しているといわれています。

C型肝炎とは

C型肝炎の特徴は他のA・B型などの肝炎に比べて病気の進行が非常に遅く、激しい症状が出ないことです。全身倦怠感、食欲不振、易疲労感など認める場合がありますが、あまり自覚症状が無くはっきりと感染を確認できている人は非常に少ないようです。

また、進行が遅く症状が軽いので治療をしないでも良いかと誤解しがちですが、C型肝炎ウィルスの感染が確認されたら直ちに治療を開始するのが一般的なようです。

これは肝臓の炎症が進むことにより細胞が死んでカスが溜まり、肝臓の血流が悪くなり組織の繊維化が進んでしまうためです。この肝臓組織の繊維化が進むとやがては肝硬変に進行してしまい、肝臓がんの発生率が高くなります。

もしC型肝炎になってしまったら

前述したようにC型肝炎は放っておくと肝臓がんを発病する恐れのある病気なので、治療開始は早いに越したことはありません。今では一般的にインターフェロンによる治療が行われています。

インターフェロンとは繊維化してしまった肝臓の細胞を溶かし、再生させることのできる薬剤で、また少量ですがウイルスに対抗する為に体内で作られる成分のひとつです。
インターフェロン治療の目的は以下の3つです。
 ・体内からウィルスを排除すること
 ・肝機能を改善すること
 ・発がんを抑止すること。

しかし、インターフェロン治療には様々な副反応(副作用)があります。
治療初期ではインフルエンザ様の症状や神経および筋肉症状、消化器症状が起こり、中期ではうつ病などの精神症状、代謝・内分泌症状(高脂血症、月経異常など)などが起こります。治療期間が3ヶ月を超えてくると脱毛や貧血などを訴える患者もでます。

感染した覚えもなく、病気らしい症状がない場合でも誰でもC型肝炎ウィルスに感染している恐れがある身近な病気です。また、たとえ治療を終えてC型肝炎ウィルスが残っていても発がんの確率を下げることができるのは確認されているので決して落ち込むことはありません。インターフェロン治療を受ける際には専門の医師としっかりと相談し、理解した上で治療に望みましょう。

C型肝炎にならないようにするには

C型肝炎の感染経路を特定するのは困難であり、予防することは難しいことです。現在では安全な血液製剤やディスポーザブル(使い捨て)の注射器が当たり前になっていますが、いまだに新たな感染者が発生しています。特に10〜20代の若い人たちの覚せい剤注射器の回し打ちによる感染が散発しています。C型肝炎の感染を避けるにはC型肝炎の正しい認識を持つことが一番大切です。

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