●説明
白血病は血球のがんです。白血球や赤血球、血小板など各血液細胞は骨髄の中にある多能性造血幹細胞が分化、成熟して作られます。白血病はこの造血幹細胞が骨髄の中で腫瘍化してしまい、増殖する病気のことをいいます。
19世紀後半にドイツの病理学者であるウィルヒョウが最初に命名し報告しました。当時は治療法がなく、白血病になると死亡してしまいました。彼がその死亡患者を調べたときに血液中に白血球が異常に増加し、血液が白色のように見えたことから白血病と名づけたとされています。
白血病は大きく分けて4種類になります。
・急性リンパ性白血病acute lymphoblastic leukemia(ALL)
あらゆる年代の人にも発症しますが、小児のがんでは最も多く、15歳未満の小児がんの25%を占めています。特に2〜5歳に多くみられます。成人では65歳以上になると少し多くなります。リンパ球が幼若な段階でがん化し、主に骨髄で異常に増殖して急速に進行する疾患です。白血病細胞が骨髄や末梢血中で増殖することにより、正常な血液細胞が減少して様々な症状が現れます。
・急性骨髄性白血病acute myeloid leukemia(AML)
どの年代の人にも発症しますが、特に成人に多くみられます。
白血球に成長するはずの細胞(好中球、好塩基球、好酸球、単球)が、がん化してしまい骨髄に蓄積し、正常な血球を作る細胞を破壊してしまいます。症状はALLと同じような症状が現れます。
・慢性リンパ性白血病chronic lymphocytic leukemia(CLL)
発症している人の3/4以上が60歳を超えており、小児にはみられません。男性は女性の2〜3倍多く発症します。欧米では約30%を占める最も多いタイプの白血病です。しかし日本では欧米の約1/10の程度で、年間10万人に0.3人前後の発症率です。
・慢性骨髄性白血病chronic myeloid leukemia(CML)
年齢、性別に関係なく発症しますが10歳未満の小児にはまれです。最も多く見られるのは40〜60歳の人です。CMLではフィラデルフィア染色体(Ph)という特異的な染色体異常を持ちます。
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