医学的に「肥満」とは、日本肥満学会が定めた判定基準以上に脂肪が多くなった状態のことをいいます。これは身長と体重から計算されるBMIにより判断できますが、全体重の中で体脂肪が占める割合が多すぎないかが問題となりますので、単に体重が多い=肥満とは言い切れませんし、体重が少なくても体脂肪が多ければ肥満となります。したがって体重が多くても筋肉質などで脂肪自体は少ない人を肥満とは言えない訳です。詳しくは、<話題の病気「肥満」>をご覧下さい。
●肥満とは(原因・症状等)
食生活の欧米化や飽食の影響により肥満の人が増えていて、特に30〜50代の男性に多いようです。不規則な生活から外食が増えたり偏食など食生活の乱れが原因のようです。また、代謝量の違いが体脂肪の蓄積に大きく関わります。食事を摂る時は偏らない・食べ過ぎないように気をつけるほか、運動を取り入れて代謝量を上げることで体脂肪を燃焼させ蓄積しないようにしましょう。
肥満自体は病気ではありませんが、多くの生活習慣病(糖尿病・高血圧・高脂血漿・動脈硬化など)の元となり、そこからやがて死に至る病気(脳卒中・心筋梗塞など)につながりやすいので十分注意が必要です。
また、「肥満」からの体重増加により下半身を中心に負担がかかりやすくなるので、足腰などの関節を痛める原因にもなりかねません。以上のように体の至るところに弊害をもたらす可能性があります。
●肥満に良い食事法
《食事のとり方で気をつけること》
- 栄養バランスに注意し、必要以上のエネルギー(脂質・糖質)塩分を摂らない。
- 規則正しい時間で食事をとる。特に朝食の摂取は体温が上昇し、1日の基礎代謝があがるのできちんと摂るようにする。
- お酒を飲み過ぎない。
アルコール摂取時はおつまみとして揚げ物や肉、チーズなど高カロリーな物をとることが多くなりやすいので、一緒に食べ合わせる物にも気をつける。
- 早食いをしない。満腹中枢が働き出す前に食べ過ぎてしまうので噛むことで満腹中枢の働きを促すことができるまた、食事の途中で一度箸を置くなどして、早食い・過食を防ぐ。
《摂取する物で気をつけること》
- 塩分とカリウムをバランス良く摂る。塩分過多によりカリウムとのバランスが悪くなると体内に残る塩分量が増してしまうので、カリウムを多く含む野菜や果物を多く摂る。食事だけで摂りにくければサプリメントで補うことも有効。
- 脂質は肉類よりも質の良い魚類から摂るようにする。脂質を分解しエネルギーに変える働きをするクエン酸の含まれる食材、レモンや酢なども合わせて摂ると尚よい。
- 水分を多めに摂る。1日2Pが理想。基礎代謝の促進のほかに、食事前に飲むと水分で満腹中枢が刺激され、過食防止にもなる。アルコールにはカロリーがあるので水分として摂るのは避ける。
- 糖質や炭水化物をエネルギーに変えるビタミンB群の摂取も心掛ける。豆類、レバー、青魚、牛乳、卵などに多く含まれているので、献立の中でうまく取り入る。食事では摂取しにくい時はサプリメントを活用する。
●食事のとり方の注意点
不規則に食べる習慣が続くと、体はいつ食べ物が入ってこなくなるか分からないため、飢えに備えてエネルギーを溜め込もうとします。そこで蓄積されたものが脂肪です。
食べる時間をなるべく決めておいて体が規則正しく動くようになると余分なエネルギーを蓄積しないようになります。
またアルコールには食欲を増進させる作用があるのに加え、制限しようと思ってもいざお酒が入るとコントロールしにくいので、あらかじめ一緒に摂る食事を決めておくのも一つの方法です。
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