梅雨の時期に入り、食中毒に対する警戒心が強くなってきています。
テレビのニュースで、「集団食中毒」などの言葉を聞くと、自分自身の身の危機感や、子を持つ親の立場としての不安感などを覚えることもあるでしょう。
そんな中で、毎日口にする食べ物、三食の食事には特に気を使うのではないでしょうか。手や食器を清潔に保つ、食材にはしっかりと火を通し早めに食べる、といったような注意点を心掛けるだけではなく、食事を通して、免疫力を高め、食中毒に対抗できる身体を作ることも食中毒予防には大切なことだと思います。
食中毒は、微生物や病原菌が出した毒素が、人の身体の中に入ることによって起こり、嘔吐や下痢といった症状を引き起こします。
人の身体には、免疫といって、体内に入ってきたジャマ者を排除する機能が備わっていて、そのジャマ者の悪さを食い止める機能があります。この機能を高めてくれる成分、栄養素を含む食品を、食事によって摂ることで、食中毒を未然に防ぐ効果が期待できます。
そこで、免疫力を高めて、身体を丈夫に保つ栄養素を作るまで3つのステップに分けて紹介します。
●ステップ1 〜免疫力を高めてくれる成分〜
人の免疫力を高めてくれる成分としては、まず緑黄色野菜に多く含まれるβ‐カロテンがあります。これは、体内でビタミンAに変わり、粘膜を正常に保ってくれます。粘膜は、外の刺激から身体を守る壁の役割があるので、強く保つことが必要です。
その他、柑橘類に多く含まれるペクチン、オリゴ糖は腸内環境を整え、抵抗力を維持してくれます。
●ステップ2 〜殺菌作用を持つ成分〜
殺菌作用を持つ成分を摂ることで、免疫機能の手助けをし、食中毒感染を避けることが期待できます。
主な成分としては、ネギなどに含まれるアリシンがあります。風邪をひいたときにはネギが良い、というのは、このアリシンの殺菌作用のためだと考えられます。
他にも、しょうがの辛み成分であるシンゲロンなどが挙げられます。なじみのある食材なので、いつもの献立に意識して加えてみてはいかがでしょうか。
●ステップ3 〜人の身体をつくる栄養素〜
免疫も、健全な身体がなくては、その機能は弱くなってしまいます。人の身体をつくるタンパク質、脂質などの基本の栄養素を、バランスよく摂ることは忘れてはいけません。特に、ビタミンやミネラルといった、人間の体内ではつくられない栄養素をキチンと摂ることを心掛けましょう。
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