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気になるスポーツ(13)弓道 〜基本を忠実にすることでケガを防ぐ〜

《弓道》 〜歴史とルール〜
弓道は、和弓を用いて矢を射て的に命中される競技です。昔は、弓術を元とした戦術、武芸でしたが、現在では心身を鍛えられるスポーツとして親しまれています。競技は、約28メートル離れた的を狙う近的と、約60メートル離れた的を狙う遠的の2種目あります。射手は一回に2射、または4射が基本で、勝敗は、的の「あたり」と「はずれ」のみで判定する的中制、または的にあたった場所などで得点を競う得点制、的中だけでなく、射形、射品(射の品格)、態度などを総合して審査員が採点する採点制を用います。弓道において基本とされているものに、射法八節と呼ばれるものがあります。これは、弓を引く動作を八つの節に分けて、一つ一つを正しく組み立てていきます。それを一連の動作で一貫した流れのように行なうことで、的中率は上がり、見た目の美しさも上がります。

《主に使う筋肉・関節》
弓を引く時は、押すことと引くことのバランスが大切です。弓を押す左手を「押手(おして)」、矢を取り出す右手を「勝手(かって)」といいます。押手で弓を押すとき,上腕三頭筋、三角筋、広背筋を特に使います。次に、左右の上腕を伸張しつつ、体を弓の中に割り込ませていきます。そこで、勝手の上腕二頭筋にも力を入れて、胸を開きます。また、重心を保つために、腹直筋に力を入れます。この時、臀部をしめることにより、骨盤が安定し、より重心を保ちやすくなります。注意点として、ふともも前面の筋肉(大腿四頭筋)に力を入れがちですが、力を入れ過ぎないように気をつけます。あくまで、後に倒れないように、踏ん張る位の力で問題ありません。このように、弓道は全身を使うスポーツといえます。
 

《障害を起こしやすい部位》
弓道でよく使う言葉に「押大目引三分の一(おしだいもくひけさんぶんのいち)」というのがあります。これは押手の力が三分の二、勝手の力が三分の一に配分するのが良いことを意味しています。そのため初心者が基本動作を体得する前などに押手である左腕に余分な負荷をかけてしまうことがあります。その際、左手首を背屈するための前腕外側の筋肉群と肩関節を後方に引く三角筋の後方部の損傷を起こしやすいのです。その他、立ち姿勢を保持するため腿前面の大腿四頭筋の筋疲労を来たす事などが報告されています。

《障害を起こさないための対策》
弓道の初心者に頻発する前腕外側と三角筋後方部の筋肉損傷を未然に防ぐには、何より弓道の基本を忠実に行う事が重要です。弓道の基本は射法八節と言う八つのルールから成ります。すなわち1.足踏み2.胴造り3.弓構え4.打起し5.引分け6.会7.離れ8.残身です。この内、5.引分けの時に左腕に三分の二、右腕に三分の一の力で「左右均等に引く」のが良しとされています。引分けの動作中に左手首を背屈すると前腕外側の筋肉群、肩関節を後方に引くと三角筋後方部の筋肉を傷めてしまうので注意してください。

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