気になるスポーツ
気になるスポーツ(9)ドッジボール 〜ダッシュ&ストップを繰り返す球技〜

《ドッジボール》 〜歴史とルール〜
ドッジボールの発祥はイギリスという説で、現在のドッジボールの原型は1900年〜1940年頃であるとされています。1909年、可児徳と坪井玄道によって日本に初めて紹介され、当時の数少ない遊戯の中で最も児童達に親しまれたものでした。
基本的なルールは、長方形のコートを2分し、それぞれのチームの陣地とします。自分のコートの中と、相手のコートの周囲に人を配置(日本ドッジボール協会の公式ルールでは、試合は12対12で行ないます)し、敵陣に向かってボールを投げ、中にいる人に当てます。
相手のノーバウンドの投球を取れなかったり、当たった場合にアウトになります。但し、1度味方に当たったボールをノーバウンドで取った場合は、その当たった選手はセーフです。
また、顔や頭にボールが当たった場合はセーフとなり、安全に競技が出来るように考慮されたスポーツです。ちなみに、ドッジボールの名称は英語のdodge(素早く身をかわす)からきており、「ドッヂ」より「ドッジ」のほうが正確であるとされています。

《主に使う筋肉・関節》
ドッジボールは基本的に全身の筋肉を使うスポーツです。特に下半身の筋肉を使い、その中でも太ももの筋肉である大腿四頭筋、ハムストリングがよく使われます。
投球する時は、下半身からのひねりから生み出される力が必要です。投球で主に使うのは肩周囲の筋肉です。このことは、ドッジボールで肩の障害が多いことからも分かります。肩周囲の筋肉には、僧帽筋、三角筋、後背筋などがあり、シャープな腕の振りや安定したコントロールに役立ちます。
また、障害予防にも重要な筋肉がローテーターカフと言われる筋肉です。棘上筋、棘下筋、小円筋、肩甲下筋の4つで構成され、肩の関節をしっかりと支持する役割があります。他にも、腕の運動を支える大胸筋が使われます。球のスピードの原動力であり、ボールキャッチ時の安定感に必要です。

《障害を起こしやすい部位》
ドッジボールは、ダッシュ・ストップを繰り返すスポーツのため下肢の障害が多く、特に足関節捻挫の占める割合が大きい傾向にあります。足関節捻挫には主に内反捻挫と外反捻挫に分けられますが、圧倒的に内反捻挫が多く、その場合は足部の「内側ひねり」による外側くるぶし周囲の靭帯が損傷を受けます。
他にも、投球を行うスポーツには共通して言えることですが、肩の障害にも注意が必要です。また、ドッジボールは小児時期を代表するポピュラーなスポーツの一つです。骨の成長発達よりも筋肉が強くなりすぎて起こる障害も少なくありません。

《障害を起こさないための対策》
足関節捻挫の予防には、筋力強化(つま先立ち、かかと立ち)などが効果的です。但し、捻挫後のリハビリテーションは、痛みが無くなってから行うことが条件です。肩の障害は、投球過多のみならずフォームのくずれによっても障害を発生させます。投球は全身を使って行うことが理想的です。肩だけで投げようとすれば負担は肩に集中し、すぐに障害を発生させます。その為、投球動作そのものを理解することが、傷害予防につながります。また、筋力トレーニングは小学生であれば高学年になってから始めましょう。腹筋・背筋・インナーマッスルを段階的に訓練し、柔らかく、しなやかな筋肉を目指せば十分です。

オススメの体操

大腿四頭筋とハムストリングのアイソメトリックス
僧帽筋のアイソメトリックス
三角筋のアイソメトリックス
広背筋のアイソメトリックス体操
大胸筋のアイソメトリックス体操

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