気になるスポーツ
気になるスポーツ(7)テニス 〜ウォームアップが肝心肉離れ捻挫の原因に〜

《テニス》 〜歴史とルール〜
テニスは、コートで面する選手同士がラケット(棒状の柄の上に輪が付き弦を張ったもの)を使って、一つのボールを1バウンドかノーバウンドで打ち合い、得点を競うスポーツです。相手のコートに2バウンド以上させた側の選手に得点が入り、4ポイントで1ゲーム、6ゲームで1セットを獲得できます。男女の別や大会によって違いますが、2セットか3セットを先に取った側が勝ちです。
テニスの起源は12世紀頃からフランスの王室で行われていた「ジュ・ド・ボーム」と言われ、毛や布を丸めたボールを手の平で打ち合うものでした。やがて道具を使って打ち合うようになり手袋、木のバット、ラケットと変化して、現在のテニスの原型となりました。
また、コートにも種類があり、主なものでハードコート(セメントやアスファルトに合成樹脂をコーティングしたもの)、クレーコート(粘土)、グラスコート(芝生)などがあります。

《主に使う筋肉・関節》
ラケットを振るために主に使う筋肉は、手首を固定する、手関節の屈筋群と伸筋群です。この筋肉群はラケットをコントロールするのに重要な働きをします。また使い過ぎてこの筋肉が硬い時に無理に練習を続けると肘を痛める原因になります。一般的にテニス肘と呼ばれる症状で手首の使い過ぎで起こりますので、この筋肉群はただ鍛えるだけでなく、ストレッチで柔軟性を高めて、休養を取るなどのケアが必要です。
もう一つテニス特有の動きが、ランジと呼ばれるエクササイズ(フロントランジ、バックランジ、サイドランジ)によって鍛えられる足を前後または左右に開いて腰を落とす動作です。低いボールに対応する場合、腰を曲げて上半身を倒してボールを取ろうとすると体幹の筋力を上手く使うことが出来ず、良いリターンが返せません。よって、低いボールに対しても上半身を起こしたまま、腰を落とし対応する必要があります。そこで骨盤と脚を支える筋肉である大腿四頭筋やハムストリング、更に内転筋や大殿筋などを鍛えてより安定した姿勢を維持出来ます。

参考 中島カイロプラクティックセンタースタッフブログ
エクササイズ(フロントランジ) エクササイズ(バックランジ) エクササイズ(サイドランジ)

《障害を起こしやすい部位》
日本テニス協会下部組織でテニス医事委員会のアンケート調査で、最もケガしやすい部位は「足首」で、以下に「肘」「手首」「ふくらはぎ」「肩」と続きます。
テニスは、予測不可能な相手のリターンにすばやく反応し、短時間で打ち返します。そのため、前後左右どの方向にも俊敏に動けるフットワークが要求されます。全力でボールの軌道まで走り、急に止まってショットを打つため足首を捻挫したり、ふくらはぎや太ももの裏の肉離れを起こしやすいです。また、ラケットでボールを打つことが主な動作となるため、慣れないうちは手首や肘・肩などに負担がかかり障害を起こします。

《障害を起こさないための対策》
テニスは瞬発力が要求されるスポーツです。そのため、身体が温まらないうちにプレイをすると筋肉に想像以上の力が加わり、肉離れなどの筋肉の障害を起こします。また、筋肉が硬いうちは関節の動きもスムーズに行かず、捻挫を起こします。
練習前はラケットを持たずストレッチで体をほぐし、ランニングやフットワークの練習で、十分に体を温めてからラケットを持った練習に入るようにします。特に上級者で難しいボールに対応する人程、股関節や膝などの障害を訴えます。股関節は一度痛めると治るまでに時間がかかります。股関節周りに少しでも違和感を感じたら練習を控えるなど慎重な対応が選手寿命を延ばすことに繋がります。
 
オススメの体操

手関節伸筋群のアイソメトリックス
手関節屈筋群のアイソメトリックス
大腿四頭筋とハムストリングのアイソメトリックス
大殿筋のアイソメトリックス
内転筋のアイソメトリックス

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